1987年(昭和62年)に西陣から登場した旧要件ハネモノ
「ザ・拳法」
★賞球:オール13、最大8ラウンド継続(9カウント)
大当り時のテンポ良い「中華風」BGMが耳に残る一台。息の長い人気を誇った。
役物キャラが、某・龍玉系アクション漫画の登場人物に似ている事でも話題となる。
後は、 頭に「焼印」があれば完璧である(笑)。
大当り中、この「クリ〇ン」ソックリなキャラが左右に動き、ヤクモノ内の玉は多彩な動きで手前Vゾーンに向かう。この時、足下に玉を1つ挟んで貯留する特徴があった。ダメな台は貯留がヘタクソだったが…。また、ステージ両サイドのストッパー部分にも貯留機能がある。
当時の西陣ハネモノは、キャラ選択の妙、耳に残るBGM、ヤクモノのコミカルな動き、財布に優しいゲーム性…と、ファンを魅了する要素が存分に詰まっていた。まさに、「西陣ハネモノ黄金時代」ではなかったか。「レッドライオン」「スーパーブラザース」「魔界組」「赤兵衛」「ちんどんや」「アフリカンボーイ」「マッハシュート」「パチンコ大賞」「おジョーズランド」「すし五郎」「ドッカン島」「Mrフォール」「スケボーキッズ」「もちあげ隊」etc…今考えても垂涎モノの名機が揃っていた。
なお、兄弟機には11個戻しの「ザ・カンフー」がある。平成2年頃、歌舞伎町・東通りの「ニューメトロ」で見た事があったな。あの店、新要件時代にも大同のマイナー機「フィーバークイーンDI」を入れたりして、なかなか面白いラインナップだった。
「ザ・拳法」と言えば、故・田山幸憲プロの「パチプロ日記」にもたびたび登場した。池袋のS店(山楽)でメイン機種の1つにしていたからだ。ローリングマシーン(三共)、スーパーレーシング(三共)、ビッグシューター(平和)なども同時期に打っていた。
印象的なエピソードは、田山プロがS店で一発台「ジェットライン」(西陣)を6回も打ち止めして、快勝した翌日の話。
田山さんは朝イチで「ザ・拳法」の甘釘台を見つけるが、前日に勝ったジェットラインの釘が据え置きだったので、一発台の方を選択。結局、これが裏目に出て、前日の勝ち分を全てジェットラインに返してしまった。
茫然として地下のハネモノコーナーに戻ると、最初に目を付けていたザ・拳法は、しっかりと3000個程出ていた…。一流のプロでも、時にはこんな展開も喰らうのか、と考えさせられたエピソードである。