著者プロフィール
1949年東京生まれ。京都大学原子炉実験所所教。原子力の平和利用を志し、1968年に東北大学工学部原子核工学科に入学。原子力を学ぶことでその危険に気づき、1970年、女川の反原発集会への参加を機に、伊方原発裁判、人形峠のウラン残土問題、JOC臨界事故などで、放射線被害を受ける住民側に立って活動。原子力の専門家としての立場から、その危険性を訴え続けている。
読後の感想を一言で言うと、期待外れだった・・・かな?
帯に「政府・保安院・東電の隠された大罪を信念の科学者が告発」って書いてありますが、毎日の報道番組で報じられる以上の事は一つも書かれていないし、本の中で終始書かれていることは政府も東電も何もしない、原発から出た放射性物質は東電の所有物だから東電に返しましょうって事だけ・・・
東電に返せるものなら返しましょうよ。
科学者なんだから、「返しましょう!」って言うなら、どうやったら返せるのかを示して欲しい。
初版が今年の4月10日ですから、原発事故から1年も経っての科学者の著書なんだから、汚染された土壌をどうやって元に戻していくのか?
拡散してしまった放射能とどう向き合って行けばいいのか?
そういう視点で書かれているのを期待したのですが・・・
小出さんの怒りには共感しますが、わざわざ本にして出版するほどの内容でも無いと、正直言って思ったな。
「騙されたあなたにも責任がある」・・・じゃ無くて、
一時的にしろ小出さんは原子力を平和利用しようなどと、騙す側にいたのだから・・・
「騙した私の責任は重い」って、本を書くべきだと、思いましたなー