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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「死体農場」 パトリシア・コーンウェル

2008年01月25日 | 読書
FBIの捜査支援課のコンサルタントになったケイ・スカーペッタ。
バージニア州クワンティコにあるFBIアカデミーで、ノースカロライナ州ブラック・マウンテンで起こった殺人事件の捜査に協力する。
ブラック・マウンテンは人口数千人の町。殺人事件と子どもに対する性犯罪はごくわずかな所。
そこで11歳のエミリー・スタイナーが自宅から誘拐され、遺体となって発見される事件が起こる。
皮膚の一部が切り取られた手口が指名手配の連続殺人犯、テンプル・ゴールドに似ていた事で、その線で追おうとする。
しかし死因が特定出来ない。
FBIでの会議が終り、ブラック・マウンテンに戻った州捜査局のマックス・ファーガソンが謎の死を遂げ謎が深まっていく。
そんな中、FBIアカデミーでプログラム作りを協力していた大学生のルーシーにも問題が起こる。

検屍官ケイシリーズ第5弾

表題の「死体農場」「ボディ・ファーム」は「テネシー大学付属腐敗研究所」のことで、死体の腐敗状況を調べ、死亡時刻についての研究を行っている。



エミリー殺害事件とルーシーの事件の2本立て。
そういえば、海外ドラマ「CSI」などは事件が2つ同時進行しているが、そんな雰囲気がある。
それがちょっとリンクしていたりして。
謎解きは相変わらず面白いが、人間ドラマの要素も強くなっている感じがする。
結構、登場人物の気持ちの揺れが大きい物語で、それぞれのいらいらが感じ取れてなんとなく落ち着かない。
事件進行がちょっと遅く感じる。
ケイと妹のドロシー関係もなんともいえない。
ケイから見たらとても理不尽な妹だが、ドロシーもきっと同じように感じているのだろう。
ケイはルーシーに対しては溺愛して、冷静な判断が下せないのではないかと思われる感じもする。
それはドロシーへの反発も影響しているのかも知れない。
世の中で起こる残酷な事件と同じ位にケイは妹に悩ませられる。
他人だったら係わりを絶てるのかも知れないが、肉親だから余計に難しいのかも知れない。
しかし、ラストはアメリカだからこうなるのだろう、と思う。
銃があるから、とまた思う。何となく落ち着かない。

そして、これは次回作に続く。
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