しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ゲド戦記外伝」 アーシュラ・K・ル=グウィン  

2006年04月14日 | 読書
時代もバラバラの、5つの話からなる本。ゲドが登場するのは、1つ。

『カワウソ』
「ゲド戦記」の始まる300年ほど前の、不安に満ちた暗黒時代の物語。
力の強い魔法使いは権力者の片腕で、人々を奴隷にするような事に使われていた。
魔法の力を持っていたカワウソも、水銀を取り出す為の鉱山で働かされていたが、魔法使いを倒し脱出する。
そして、その協力者になってくれた「手の女」達がいるローク島に行き、隠れているだけでは駄目な事を伝える。
魔法を正しく使う為の伝承方法を考え、それが、ロークの学院になって行く。

『ダークローズとダイヤモンド』
魔法使いはその術を鈍らせない為、独身で通す。
ダイヤモンドは魔法使いの素質があったが、恋人の魔女の娘・ダークローズとの恋を選び、魔法使いになる事を捨てる。
そして、大好きな音楽でダークローズと生きていく。と言う恋物語。

『地の骨』
ゲドの師匠、オジオンは地震を止めたと言われている。
これは、そのオジオンの師匠、ダルスとオジオンの物語で、地震を止めたのはダルスの大きな力が働いていた。
ダルスは沈黙をオジオンに教え、オジオンはダンマリと呼ばれていた。
地震を察知したダルスは自分が姿を変え、地の中の入っていき、そこで一体となって地が崩れるのを止める。
地と一体になったら戻っては来られない。
オジオンは地上から、崩れ様とする地を引っ張って助けていた。
ダルスが行ってしまった後、町で暮らしていたオジオンは、人里離れたダルスの家に移り住む。

『湿原で』
ゲドが大賢人になってからの物語。
一人の強い力を持つ魔法使い・イリオスが、ロークの学院で、生きている人間を呼び出した。
それは、その人の魂を奪いを奴隷にする事を意味していた。しかし、呼び出しの長とゲドと戦い敗れて姿をくらます。
ゲドはイリオスを捜してセメルにやってくる。
そこで、セメルは自分の行いを恥、牛の病を治す事に力を使っていた。
ゲドはそんなセメルをそのままにして立ち去る。

『トンボ』
「帰還」の数年後の物語。
トンボ・アイリアン自分が何者か、わかりかねていた。アイリアンと本当の名を授かった時も、これは自分の名ではないと感じていた。そしてその謎を知る為、アイリアンは女にして始めてロークの中に入る。
そして、黄泉の国を彷徨い目覚めた呼び出しの長・トリオンと対決。
トリオンがすでに抜け殻でしかないと見破っていたアイリアンはトリオンを倒し、自らは竜になって舞い上がり、西へ消えていく。

最後に『アースシー解説』があり、そこではエレス・アクべとマハリオン王の事、腕環が半分になった経緯が簡単にまとめられている。


読む順は、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、最後の書、外伝、Ⅴ(アースシーの風)。
外伝は盛り上がりのある話なので、読んでいても楽しい。
アースシーの歴史がわかり、人物も掘り下げ理解出来るので、もっともっとこの世界にのめり込んでいける感じがする。
竜のいる、アースシーの誕生から、神話の時代を過ぎ、しかしまだまだ遥か昔と感じる時代だが、人間の愚かさは変わらないのだなとも思う。



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