しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「禁猟区」  乃南アサ 

2014年03月27日 | 読書
「禁猟区」  乃南アサ    新潮文庫      

4編からなる短編集。

「禁猟区」
巡査部長の若山直子は、ホストに入れあげていた。
かつて補導した少年がホストになっていて、再会したのがきっかけだった。
お金が足りなくなった直子は、同じようにホストクラブで借金を作った少女を助け、家族からお金を受け取る。

「免疫力」
組織犯罪対策課の風祭は、あることが切っ掛けで暴力団の組長、島本と手を組む。
それは、ある健康食品が抗癌剤も効かなかった息子の病気に効いた事だった。
島本の姪は白血病と聞いてその健康食品を紹介し、同じ効果があったからだ。
その健康食品を島本が多くの人を助けたいと売り出し、その宣伝に風祭も手を貸す。
風祭は単純に、一人でも病に苦しむ人を助けたと思ったからだったが。

「秋霖」
時効まで1か月を切った、資産家女性殺人事件。
その捜査を担当した小池巡査部長は、犯人だと確信している人物がいた。
今は家庭を持ち、落ち着いてくらしている浜田公敏。
証拠がない事件で、小池は証拠を作り出そうとする。

「見つめないで」
警視庁警務部人事一課捜査二係、監察官沼尻いくみ。
いくみは結婚する友人、香奈恵のマンションを家具ごと譲り受けて引っ越して来る。
翌日、仕事から戻るとマンションのドアノブに紙袋が掛けられ誰からのプレゼントと思える品物が。
そして、そのプレゼントは続くが、品物は不快な物になって行く。
宛名もメッセージもないので、もしかしたら香奈恵に送られているものとも考えられた。
香奈恵にも心辺りがないと言われ、いくみには一人思い当たる相手がいた。






警視庁警務部人事一課二係。
警察官を監視する部署。
道を踏み外す人間も、それなりの理由がある。
全くの自分勝手だったり、それが正しいと思い込んだり、人の為と思ったり。
それぞれ違う理由の物語なのだが。
しかしそれが警察官となると、同じ人間なのだからとは言っていられない。
だから、警察官を見張る役目の課もあるのだろうが。
重いテーマなのだが、短編だからか少々軽く感じられる。
警察内のゴタゴタと言ってしまえば、それまでだ。


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