しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「Q&A」 恩田陸  

2007年03月28日 | 読書
東京。「旭が岡の大型スーパーマーケット火災」の報があり、消防車が駆けつけるが、火災の様子は見らない。
外には人が溢れ、異臭があったとの話も出た。
中に入った消防士は大勢の人達が折り重なるように倒れているのを目撃して、愕然とする。
死者69人、負傷者116人という大惨事になるが、何故このようなことが起こったのか結局解明されず、いくつかの要因が重なった事故とされた。
この出来事を調査しているという人が質問して、関係者が答える形で物語が進んでいく。


面白い展開の物語だった。
悲惨で不気味なことが起き、それが色々な人の話を聞くことで、はっきりしていく話かと思ったが、結局最後まではっきりしないような、したような。
なにを信じるかによって読む人でも解釈が違ってくるかも知れないと思える。
話もひたすら、謎の解明ではなくそれにまつわるサイドストーリーが入っていると思ったら、それが結構重要だったりする。
「名もなき毒」にもあったように、「はっきりしないから恐ろしい」ということがこの物語にも感じられる。
実際にあった幾つかの事件や事故を思い出させることも多く、重い気持ちになる。
読後感はすっきりしない。
でも、世の中ってこうだ。
しかし、そう思って諦めてはいけない。
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