「キリング・サークル」 アンドリュー・パイパー 新潮文庫
THE KILLING CIRCLE 佐藤耕士・訳
パトリック・ラッシュは7歳の息子サムとドライブ・イン・シアターに来ていて、サムが誘拐される。
2人でホットドックを買った後のわずかな隙だった。
夜のトウモロコシ畑を走る黒い男の影が見え、誰が連れ去ったか、パトリックには分かった。
それは、4年前。
新聞記者をしていたパトリックは、妻タマラに先立たれ1人でサムを育てながらも寂しい思いをしていた。
自分が思うような仕事が出来ないパトリックは、ある広告の目を止める。
“あなたの人生の物語を聞かせてほしい”、それは作家で詩人でもあるコンラッド・ホワイトが出した集中ワークショップの募集案内だった。
コンラッドは、それは、サークル(仲間)だと思って欲しいと言う。
作家になることを夢見ていたパトリックは参加を決める。
そこに集まったのは7人。
それぞれが、書いた物の1部を朗読していく。
パトリックは、その中の若い女性アンジェラ・ホイットモアが書いた物語に心を惹かれる。
それは「昔、幽霊に取り憑かれた少女がいた」という書き出しで始まる。
少女が幽霊に、サンドマンと名前を付けた物語。
しばらくして、サンドマンがパトリックサークルの仲間たちの周辺に現れるようになる。
これはホラー。
サンドマンという、得体の知れない男が恐怖を与えて行く。
何でも見抜いているような不気味な行動で、不安を煽るのだが。
いまひとつ、その不安がこちらにストレートには伝わらない。
パトリックが感じている不安や恐怖とは、少し差がある感じがする。
サンドマンとは誰なのか、という謎。
最後の結末も、謎解きのようなそのままホラーのような。
本来の物語よりも、アンジェラの書く、サンドマンの物語の方が、怖く迫力がある。
この話の続きを、他のサークル仲間が待っていたのと同じような気持ちにはなった。
“自分の物語を持つ”と言う事を他の所でも読んだことがある。
パトリックは、自分は物語を持たないと思っていたが。
生きている以上、みんな物語は持っていると思う。
ただそれを、ちゃんと気が付いているのか、上手に語れるかではないだろうか。
何か大仰なことをすることが、物語ではない気がする。
それはその人の生き方というか、心の持ち方で変わる物だろうが。
それを決めるのも自分なんだ。
サンドマンは、“子どもの眠りを誘う妖精”と認識していた。
しかし、眠りを誘うのに、まぶたが開かない様に砂を乗せるのはどうかと思ったが。
この物語のように、何となくサンドマンは悪者の名前の方が会っている。
THE KILLING CIRCLE 佐藤耕士・訳
パトリック・ラッシュは7歳の息子サムとドライブ・イン・シアターに来ていて、サムが誘拐される。
2人でホットドックを買った後のわずかな隙だった。
夜のトウモロコシ畑を走る黒い男の影が見え、誰が連れ去ったか、パトリックには分かった。
それは、4年前。
新聞記者をしていたパトリックは、妻タマラに先立たれ1人でサムを育てながらも寂しい思いをしていた。
自分が思うような仕事が出来ないパトリックは、ある広告の目を止める。
“あなたの人生の物語を聞かせてほしい”、それは作家で詩人でもあるコンラッド・ホワイトが出した集中ワークショップの募集案内だった。
コンラッドは、それは、サークル(仲間)だと思って欲しいと言う。
作家になることを夢見ていたパトリックは参加を決める。
そこに集まったのは7人。
それぞれが、書いた物の1部を朗読していく。
パトリックは、その中の若い女性アンジェラ・ホイットモアが書いた物語に心を惹かれる。
それは「昔、幽霊に取り憑かれた少女がいた」という書き出しで始まる。
少女が幽霊に、サンドマンと名前を付けた物語。
しばらくして、サンドマンがパトリックサークルの仲間たちの周辺に現れるようになる。
これはホラー。
サンドマンという、得体の知れない男が恐怖を与えて行く。
何でも見抜いているような不気味な行動で、不安を煽るのだが。
いまひとつ、その不安がこちらにストレートには伝わらない。
パトリックが感じている不安や恐怖とは、少し差がある感じがする。
サンドマンとは誰なのか、という謎。
最後の結末も、謎解きのようなそのままホラーのような。
本来の物語よりも、アンジェラの書く、サンドマンの物語の方が、怖く迫力がある。
この話の続きを、他のサークル仲間が待っていたのと同じような気持ちにはなった。
“自分の物語を持つ”と言う事を他の所でも読んだことがある。
パトリックは、自分は物語を持たないと思っていたが。
生きている以上、みんな物語は持っていると思う。
ただそれを、ちゃんと気が付いているのか、上手に語れるかではないだろうか。
何か大仰なことをすることが、物語ではない気がする。
それはその人の生き方というか、心の持ち方で変わる物だろうが。
それを決めるのも自分なんだ。
サンドマンは、“子どもの眠りを誘う妖精”と認識していた。
しかし、眠りを誘うのに、まぶたが開かない様に砂を乗せるのはどうかと思ったが。
この物語のように、何となくサンドマンは悪者の名前の方が会っている。
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