しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「球形の季節」 恩田陸

2009年01月21日 | 読書
「球形の季節」 恩田陸   新潮文庫

東北で1番広い県にあるI市。
人口15万に届くか届かないの規模のI市の中心部にある町、谷津。
そこに4つの高校がある。
谷津第二と藤ヶ丘は女子高。谷津第一と長篠の男子校。
その高校生たちの間に奇妙な噂が広がる。
それは大まかには「5月17日」「エンドウさん」「如月山」が入っているものだった。
4校の分会から成るクラブ「谷津地理歴史文化研究会(地歴研)」のメンバーはその噂の出所を、アンケートをとって調査する。
しかし、出所がはっきりしないうちに5月17日がやって来て、藤ヶ丘高校1年の遠藤志穂が姿を消す。


学園モダンホラーという名目が付いていた。
ホラーといえるほどの怖さはなく、学園ものになるのか。
自分は一体何者なのかを考えるような内容もあり、若い人向けといった感じ。
幸せとは何だろう、“跳ぶ”人もいれば“待つ”人もいる。
それは他人から強制されるものではなく、自分で決めるもの。
自分で決めれば“待つ”ことも進歩がないことではない、そんなことを感じた。
主役は人ではなく、谷津という町のようでもあり、何だか焦点があまりはっきりしないで終わってしまう。
奇妙な噂や金平糖のおまじない、エキセントリックな登場人物と盛り上がりを見せつつも、それもオブラートも向こうにあるような。
曖昧な印象が残る物語。
自分探しをしている人は、もっと感じるものがあるのだろうか。
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