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「靖国への帰還」  内田康夫

2015年01月14日 | 読書
「靖国への帰還」  内田康夫   講談社文庫     

「靖国で会おう」―。
本土攻撃が激化する中、夜間戦闘機「月光」に乗り込んだ若き海軍中尉・武者滋は、決死の覚悟でB29の大編隊に突入する。
被弾して薄れていく意識の下「月光」が舞い降りたのは、なんと現代の厚木基地だった。
時空を超えて飛来した“英霊”が、私たちの心に問いかける靖国神社の存在とは。
    <文庫本裏表紙より>









靖国問題は毎年終戦記念日になると聞こえて来るので、関心はある。
この物語は、現代の問題をどれが正しいと押し付けることもなく、それぞれも意見を紹介してくれる。
みんなが考える元になれば、と言う感じだろうか。
戦争中「死んだら靖国で会おう」と心の拠り所にしていた事は知らなかった。
ただ、本当にそうなのだろうか、と疑問もある。
実際、地方に住んでいて1度も靖国を見たことがない人もいるだろう。
家族も行けるかどうか分からない場所ではなかったのだろうか。
東京に住んでいる人たちならわかるが。
形にとらわれず、慰霊の気持ちを持っていればいいと思っていたが。
A級戦犯の合祀は、やはり腑に落ちない所がある。
これは、「東條さんは嫌い」と言った有美子に近い気持ち。
戦争を始めた人はいる訳で、戦争はもっと早く終わらせることも出来たはず。
ナチスの大量虐殺とは違う武者は言っているが、果たしてそうだろうか。
日本軍もかなり酷い事をしている。
それは数だけでは表せないだろう。
ドイツが今、ヒトラーはもう死んだんだからと慰霊していたらどう思うだろう。
戦犯云々もあるが、日本が戦後、戦争責任を取っていないと思える事が問題でもあるだろう。
侵略戦争だったのかも、はっきりさせていない。
武者にもっと訴えて欲しかったのは、自分たちが命を掛けて守ろうとした日本の在り方かも知れない。
今、戦争があったことを知らない子どもたちが増えている。
学校でしっかり教えるべき事だと思う。
戦争の事を知らなければ、なぜ韓国や中国で日本に憎しみを向ける人がいるか分からないだろう。
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