しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「鉄鼠の檻」  京極夏彦 

2011年10月20日 | 読書
「鉄鼠の檻」  京極夏彦        講談社NOVELS

雪が降り積もる、奥湯本にある仙石楼。
古い宿に宿泊しているのは、常連客の久遠寺嘉親老人と古物商『待古庵』の今川雅澄。
今川は、商談の相手を5日間待っていた。
それは、近くにある明慧寺の坊主了稔で、この宿を指定したいた。
その明慧寺に取材に行くため、『稀譚月報』の記者、中禅寺敦子と鳥口守彦が訪れる。
もう一人、取材に同行する飯窪季世恵は前日に来ていた。
仙石楼の庭には、大きな柏の樹がある。
昼間、みんなが庭の見える座敷にいる時、その柏の樹のそばに、突然坊主が出現する。
それは死んでいる了稔坊主で、周りの雪には足跡がなかった。
飯窪は、昨夜、空を飛ぶ坊主を見たと、怯えていた。
同じ頃、中禅寺秋彦と関口巽の2組の夫婦も箱根を訪れていた。
埋もれて発見された蔵に入っていた、書物の調査の為だった。
関口はそこで、年を取らない振袖童女の話を聞く。

百鬼夜行シリーズ第4弾。





今回は『姑獲鳥の夏』と係りがある。
やはり順番に読んでいかないと、分からない部分が出てくる。
それにしても、結構短い期間で事件に巻き込まれていく関口たち。
事件を呼び寄せているようだ。
今回は、榎木津は少々大人く、寂しい。
始めにあった、空飛ぶ坊主を解決したのがハイライトか。
今回は檻がテーマ。
そして、禅宗について、色々と歴史や成り立ちが紹介される。
読んでいる時は、なんとなく分かった気でいるが、すぐに忘れてしまいそう。
まあ、事件に関係したことは、その時分かっていたから、大丈夫かな。
それにしても、殺す理由があまりにも短絡過ぎる。これもは逆恨みに何者でもない。
宗教なんて、なんの歯止めにもならないのか。
しかし、事件事態、封鎖された空間でのことで、あまり現実感がない。
その時間が止まったような空間、明慧寺が主役のような物語。
しかし、大ネズミが突然発生した訳も、きちんと説明される。
不思議なことなでないのかも知れないが、不思議だ。
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