しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「珊瑚色ラプソディー」 岡嶋二人  

2007年01月04日 | 読書
里見耕三は結婚式の為に赴任先のシドニーから帰国する。
しかし婚約者の白井彩子の姿は空港になく、代わりに弟が、彩子は旅行先の沖縄の石富島で盲腸になり入院していることを教えてくれる。
里見はそのまま石富島に向かい、彩子と再会する。
彩子は友人の蓮田乃梨子と沖縄に来て、石富島から船に乗り、乃梨子の兄が医師をしている宇留間島に渡った後の記憶が欠落していた。
彩子は石富にある店で倒れて病院に運ばれたというが、一緒にいたはずの乃梨子がいない。
乃梨子の家に連絡すると、母親が乃梨子は沖縄には行っていないという。
乃梨子と沖縄に来た事は確かだという彩子の言葉と、48時間の記憶の喪失。里見は何があったのかを調べはじめる。



面白かった、とても面白かった。
大きな謎を提示して、それが尻切れトンボになっていない。最後まで何が起こるか分からない面白さだった。
そして、色々想像できる所が結構怖い。呪われた一族がいるのでは、とか。
その謎と裏腹に、里見と彩子のアツアツカップルは甘い雰囲気でなんとなく緊迫感を薄れさせるのだが、それがいいのかも知れない。
岡嶋さんの物語のカップルはこんな甘い二人が多い。

物事をどこから見るかで、全く違うものが見えてくるという話だと思う。
なにを信じるか、それによって180度違ったものが見える。
だから、人間はなかなか共通の思いを持てないのも分かる気がする。千差万別。

この中で人気アーティストのコンサートに行く場面がある。チケットが売り切れだったので、当日なんとかしようと5時開場なので早めに4時少し過ぎに行ったという話。
そんなコンサートに何度も行っている人間には、1時間前なんて遅すぎると思うのだが、一般常識はそうなのか。
まあ、この話でもやっぱり遅かったのだが、そこは物語なのでなんとかなるものだ。

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