しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「バウンド―纏足」 ドナ・ジョー・ナポリ

2009年11月21日 | 読書
「バウンド―纏足」 ドナ・ジョー・ナポリ   あかね書房
 Bound                 金原瑞人/小林みき・訳

14歳のシンシンは、継母に「役立たず」と呼ばれ、家の雑用一切を押しつけられている。
父親ウーが死んでから、纏足を始めた15歳の姉ウェイピンはそのために、歩くことが出来ない。
纏足はいい結婚相手を見つけるために必要なことだと言う。
両親を亡くしたシンシンには結婚相手を探してくれる人はもういない。
父親は纏足の習慣には反対で、絵・詩・書の三芸をたしなむべきという考えで、シンシンは習字が得意だった。
シンシンは足の痛さに苦しむウェイピンの為に栄養になるものや、慰みになるものを探して来る。

シンデレラをモチーフにした物語。



シンデレラの原話は中国だそうだ、知らなかった。
その中国を舞台にし、纏足という風習をうまく取り入れて、最後は同じような展開になる。
でも、シンシンはただ王子に見初められてハッピーエンドという少女ではない。
父親の教育があって、しっかり自立していて、結婚相手としてきちんと見極めるところがいい。
しかし、纏足を頑張ってしていたウェイピンや継母よりも、シンシンの方が足が小さいとは。
シンシンは14歳。
何もしていなかったのだから、もうしっかり大きくなっているだろう。
シンシンはその足で、長い距離を歩いている。そこが不思議。
そう言えば、シンデレラもとても小さい足をしていたことになるのだ、と気が付いた。

纏足、あまり良く知らなかったが、なんて残酷な習慣だろう。

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