しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「魔界転生」 山田風太郎  

2006年07月08日 | 読書
寛永15年3月1日の夜、陥落した島原城から逃げ出した人影は、小西行長の遺臣、森宗意軒と2人の女。
しかし、追手が迫ると、宗意軒はその女を切る。
そして、切られた女の中から姿を現したのは、荒木又衛門。もう一人が天草四郎。
これが森宗意軒の妖術で、死んで再び生まれ変わる魔界転生。3人は追手を打ち負かし、姿を消す。
それを見ていて、後を追ったのが、由井正雪。
幕府転覆を狙う由井正雪は森宗意軒と組んで、剣豪達を転生させる。
転生したのは、荒木又衛門、天草四郎、宮本武蔵、田宮坊太郎、宝蔵院胤舜、柳生如雲斎、柳生但馬守。
そして、柳生十兵衛を引き入れようとして失敗。
十兵衛と十兵衛に味方するの柳生十人衆と魔界転生者との戦いが始まる。


始めこれは、時代劇ホラー!と思うほど、おぞましい怖さがあったが、ストーリーは面白く、どんどん引き込まれる。
おぞましく、エロチックなのは、剣豪が転生するまでのシーン。
その後は十兵衛と魔界転生の剣豪との1対1の対決になって行く。
対決は単純に刀を合わせるのではなく、心理作戦や小細工をしての知能戦でもあった。
さすがに、天草四郎は妖術使いだが。
十兵衛のまわりに、柳生十人衆や3人の娘と子どもの弥太郎がなんだか子犬の様にいるのが可笑しい。
十人衆は30過ぎた大人のいるのだが、なんか可愛く感じる。
映画で観た記憶はあり、ラストシーンは良く覚えている。しかし、映画とはかなり違う気がする。
しかし、「魔界転生」というタイトルは恰好いい。
始めは「おぼろ忍法帖」というタイトルだったらしいけれど、全然違う。

今度、舞台で観に行く予習として読んだが、面白かった。
これをG2さんがどう演出するのか、楽しみだ。


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