しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「フーガはユーガ TWINS TELEPORT TALE」 伊坂幸太郎

2022年05月26日 | 読書
「フーガはユーガ TWINS TELEPORT TALE」 伊坂幸太郎  実業之日本社 

双子の兄弟、常盤優我と風我。
2人は最悪の家庭で育つ。
父親は幼い時から理由もなく暴力をふるい、母親は見て見ぬふりでため息ばかり。
2人は助け合って生きて来た。
そんな2人に不思議な事が起こる。
誕生日の10時10分から2時間おきに2人が入れ替わるのだ。
だから何かが大きく変わると言う事はなかったが。
2人だけの秘密だったが、大人になった優我に東京の制作会社のプロデューサー高杉からメールが届く。
「不思議な動画について教えてほしい」と。
それはトイレの個室で、2人が入れ替わる所を盗撮した動画だった。
優我は高杉に、子どもの頃からの話をすることになる。





日常生活の中に当たり前のように殺し屋がいる伊坂幸太郎さんらしい物語。
今回はサイコパスだけど。
虐待も犯罪もかなり酷いレベルだが、それを受け止める風我と優我が怒りを感じつつも冷静。
だから物語も淡々と進む。
2人の入れ替わりの秘密も、なんとなく面倒なことで、もう少し何かに役立つと良いのに。
マジックショーのような事にしか使えないのか。
これがラストに必要だったのだろうけけれど。
伏線もたくさんあって、後で“ああ、そういうことだったのね”と辻褄が合う面白さ。
ただ、今回は2人の生い立ちも含めて楽しめる内容が少ないので、読後感は良くない。
実際に虐待のニュースも多く、それが現実の社会なのかも知れないが。
ラストも、不満。残念過ぎる。

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