しましましっぽ

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「卒業生には向かない真実」  ホリー・ジャクソン

2024年04月26日 | 読書
「卒業生には向かない真実」  ホリー・ジャクソン  創元推理文庫  
 AS GOOD AS DEAD      服部京子・訳

大学入学直前のピップに、ストーカーの仕業と思われる不審な出来事がいくつも起きていた。
無言電話や匿名のメールが届き、首を切られたハトが敷地内で見つかったり、私道にチョークで頭のない棒人間を書かれたり。
調べた結果、6年前の連続殺人事件との類似点に気づく。
犯人は逮捕され服役中だが、ピップのストーカーの行為は、この連続殺人の被害者に起きたこととよく似ていた。
ピップは自分を守るため調査に乗りだす。
   <文庫本1頁目より>

『自由研究には向かない殺人』『優等生は探偵に向かない』に続く、三部作の完結編。




2作目をそうだったが、まさに続きなので順番に読んだ方が良い。
今回は自分の身に降りかかった事を自ら解決に乗り出す。
そして、連続殺人事件の犯人が係わり、危険な状況で進んで行く。
半分ほどで、その犯人が分かり、この後の頁で何が起こるのだろうと思ったら。
思いもよらぬ展開で驚かされる。
後半はピップとラヴィが起こった事を納める為の図り事で進んで行く。
それが納得できるかどうかで、この物語の感じ方が変わる。
自分はあまり納得出来ない。
許せない気持ちや、理不尽な事に怒る気持ちは分かる。
警察が全く信じられない存在になってしまった事を大きいと思う。
しかし、これを許してしまえば、社会は崩れて行くだろう。
ピップは、友達を巻き込まない様に覚悟を決めている様に見えるが、それならば最初から友達には近づかなければ良かったのだ。
その前にも、ピップは身内を守るためと言って、罪を見逃している。
無罪だと分かったビリー・カラスの事もどうでも良いように思っていた。
身勝手な思考がどうしても気になる。
裁判では罪を逃れたマックスにも、もっと違う制裁の方法があっただろうに。
アンディとベッカ姉妹の関係性も、ちょっと唐突。
そして、ピップはこの後どんな風に生きていくのだろう。

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