しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「疾風ロンド」  東野圭吾

2015年02月13日 | 読書
「疾風ロンド」  東野圭吾    実業之日本社     

泰鵬大学医科学研究所所長、東郷雅臣の元に脅迫メールが届く。
それは解雇された研究員葛原が、3億円を要求するものだった。
葛原は独自に炭疽菌の生物兵器を作り上げ、それを理由に解雇されていた。
その腹いせに、炭疽菌を盗み出し、その容器をある場所の雪の中に埋め、摂氏10度以上になると容器は破損し菌が散乱すると言う。
しかし、その葛原が直後に自動車事故で死んでしまう。
葛原は目印を知らせて来ていた。
2枚の写真と、埋めた木に発信機を仕掛けた事。
それは木に吊るされたテディベアだった。
栗林は、葛原の事故現場に駆け付け、私物を手に入れ別の写真と受信機を手に入れる。
そして、埋められているスキー場を特定する。
東郷は部下の栗林に、容器に回収を命じる。
栗林は中学3年のスノ―ボーダーの息子と共にそのスキー場に向かう。









「白銀ジャック」の続編。
スキー場で警備を担当する、根津とスノーボーダーの選手千晶が登場。
またしても、雪の下に埋められた物を探すのだ。
「白銀ジャック」は、軽い感じがしたが、こちらははっきりとコメディと言える。
まずは、所長の東郷が葛原が死んだ時点で、この事を秘密して、なかった事にしようとする発想。
自分に害がなければ、知らん振り出来ると思っていることがコメディ。
その前に、葛原はテディベアを木に吊るすのに、釘がしっかり固定されていることを確かめるが、
釘がしっかりしても、ただ吊るしただけでは風に飛ばされたりするだろう。
だからその後、なかなかテディベアが見つからない理由も直ぐに分かるのだ。
その展開に持って行きたかったからだろうが、先が読め過ぎなのもちょっとだ。
滑りながらのチャンバラも喜劇としか思えない。
最初から、そう思って見ると気楽に楽しめる。
そんな中にも、親子の関係や、東北大震災の時のスポーツマン・ウーマンの心情など真面目に考えさせられることもある。
読みだしたら止まれない、一気読み。

どどめ色ってどんな色だろうと、根津と同じように自分も思った。
読み終わってさっそく調べたら、土留色。
桑の実の色で、黒っぽい紫色らしい。
そして自分と同じように、この本を読んでどどめ色を調べた人が多いようだ。
やはり気になるよね。
これがこの物語の1番の印象だったりして。

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