しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「白い雌ライオン」  ヘニング・マンケル  

2012年01月14日 | 読書
「白い雌ライオン」  ヘニング・マンケル       創元推理文庫
  Den Vita Lejoninnan                 柳沢由美子・訳

スウェーデン、スコーネの南東に位置する町イースタ。 
1992年4月。
クルト・ヴァランダー警部は行方不明になった不動産業者の女性ルイース・オーケルブロムを探していた。
ルイースは売家に向かう時に迷い、見つけた家に道を訪ねようとする。
その家には高級車が2台止めてあったが、留守のようだった。
しかし、帰ろうとした時、男が現れ銃を向ける。
それから数日後、ヴァランダーは彼女が向かったと思われる、売家を探している時、近くで空き家が爆発炎上する。
爆発は強力な爆薬を使い時限装置が使われていた。
その火災現場から、黒人の切り落とされた指が1本、南アフリカの銃、強力な無線装置が見つかる。  

刑事クルト・ヴァランダー シリーズ、第3弾。





スウェーデンと南アフリカを舞台にした物語。
第3弾から読んでしまうが、テレビでドラマとして見た。
ヴァランダーの印象そのままの役者さんで、その姿が頭に浮かぶ。
家族関係もその時に分かったので、戸惑うことはなかった。
暗殺に絡んだ事件だが、ヴァランダー側からすればそんなことは分からない。
自分の仕事を丁寧に一生懸命にこなしていく。
ただ、なんとなく長閑な雰囲気。
それは、スェーデンの田舎町、イーストが舞台だからだろう。
反対に南アフリカ側の物語は、緊張感がいっぱいだ。
揺れ動く南アフリカの様子。
1992年、こんな最近まで南アフリカは人種隔離政策を取っていたのだと、今更ながらに思う。
そして、自分の国では安心して暮らせない人たちのことも。
日本は、本当に平和な国だ。

ヴァランダーの人柄が、時にユーモラスにそして温かく、好ましい。  
そして、ヴィクトール・マバシャの存在もヴァランダー同様に、圧倒される。

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