しましましっぽ

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「毒島刑事最後の事件」 中山七里 

2021年09月29日 | 読書
「毒島刑事最後の事件」 中山七里  幻冬舎   

毒島真理は警視庁捜査一課の麻生班所属の警部補。
年は麻生よりも2つ上。
昇進には興味がなく自ら現場に留まっている。
毒島は尋問力があり、検挙率は警視庁随一。
小柄で温和な顔立ちだが、1を言えば10返されるほど能弁で、だれも太刀打ち出来ない。
そして事件が起きる。
大手町ではサラリーマンが連続射殺され、出版社で爆破事件が起きる。
それぞれ犯人は逮捕されるが、毒島はその犯罪に裏がある事を突き止める。







毒島は面白いキャラクター。
この物語の1番の売りは毒島の性格なのだろう。
麻生班長他、同僚や被疑者にとっても、“優秀だが手に負えない人物”になっているのだが。
毒島が特別優秀と言うよりは、他に人が気が付かな過ぎのようだ。
犬養刑事も2年目の刑事として登場するが、何も活躍しない。
そして、毒島の考え方も、それほど軌道の逃しているとは思えない。
「教授」との対決は、まるで玉ねぎの皮を剥くように展開して行く。
それを推察するのも、それほど難しくないような気がする。
世の中で1番許せない犯罪は、他人を操り、自分は手を汚さずに罪を犯させ自分は楽しんで見ている事。
他の探偵や刑事物にも、そんな人物は登場して、もっとも卑劣な人物として書かれる。
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