しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「残虐なる月」 クリス・シムズ

2010年06月06日 | 読書
「残虐なる月 マンチェスター警察殺人課ファイル」 クリス・シムズ   小学館文庫
 SAVAGE MOON        延原泰子・訳

マンチェスター警察ジョン・スパイサー警部は、赤ん坊のホリーが生まれたばかり。
妻のアリスは疲れ感情が不安定になっている。
上司とのトラブルで、定刻で帰れる仕事しかないジョン。
育児を手伝うにはいいが、物足りない気持ちを抱えていた。
そんな時、公営駐車場で起きた暴行事件と、3週間前に起きたサドルワース・ムーアの事件の共通点を見つける。
それは、牧羊農家サットンの妻が、何らかの動物に襲われて死亡したもの。
現場からクロヒョウの毛が見つかる。
しかし、ジョンは人間の仕業との見解を持ち、アリスに言えないままその事件の責任者となり、捜査に当たる。

ジョン・スパイサー警部シリーズ第3弾。



シリーズ第3弾だが、訳されているのは前作と2つだけ。
自分が読むのは、これが最初。
事件とあまり関係がない生活も、結構書かれている。
それがつまらない物もあるが、これは育児が関係するからか、面白かった。
しかも最後に、事件と直接関係はないのだが、繋がり分かる。
それによって、物語の深みが増した。
ジョンはクロヒョウではないと考えるが、暗闇に潜んでいるのではと思わせる事も。
それがとても緊迫感があり、こちらも同じようにドキドキさせられる。
ジョンは間違っていて、本当はクロヒョウかも知れない、と。
そして、知らなかったイギリスと植民地時代のケニアの歴史を知ることになる。
ただ事件を解決するだけでなく、歴史まで広がる物語。

しかし、ジョンもかなり激情家。
アリスを守るためとは言え、ありえない気がする行動で驚かされる。

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