しましましっぽ

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「森の中に埋めた」 ネレ・ノイハウス 

2023年02月14日 | 読書
「森の中に埋めた」 ネレ・ノイハウス  創元推理文庫  
 IM WALD                 酒寄進一・訳
 
ホーフハイム刑事警察署の管轄内にあるキャンプ場でキャンピングトレーラーが炎上し、大爆発が起きた。
計画的な放火の痕跡があり、中から男の焼死体が見つかる。
刑事オリヴァーとピアは捜査を始め、トレーラーの持ち主がオリヴァーの知人の母親だと判明する。
だがホスピスにいた彼女は、何者かに窒息死させられてしまう。
さらに新たな被害者が。
被害者や被疑者のほとんどがオリヴァーの知り合いで、一連の連続殺人事件には42年前のある事件が関係している可能性が……。
    <文庫本1頁目より>





「刑事オリヴァー&ピア」シリーズ。第8弾。

前作で気になってしまったピアの性格が、今回も気に障る。
ドイツの警察は、こんなにも高飛車なのだろうか。
被疑者と言うだけで、この人は犯人と思い込んでいるから容赦がない。
でもその少し後に「あの人は犯人ではないと思う」と簡単に言っていたり。
冤罪を生んだり精神を病む人も出て来そうだ。
その後その人に対するフォローなどは出て来ない。
事件解決すればそれでOKなのだ。
しかし、今回は犯人だと思った人物の動機は何だと思ったのだろう。
また、部屋に掛かれた物を見て「殺人リスト」って本当に思ったのだろうか。
年代順に死亡した人が書かれているだけ。
線で消してあるのはなぜか分からないけれど、それは「殺人リスト」ではないだろう。
実際、事件の捜査はモタモタして、最後の取り押さえも失態と言える。
とても頼りない警察だ。
過去の事件と進行中で起こる事件は、最後まで犯人が分からず面白かったが。
ただ、犯人は誰でも成り立つような気がするが。
オリヴァーは今回、またダメダメに戻ってしまった。
自分自身と子ども時代の知り合いが関係していれば冷静ではいられない。
だから身内の事件からは、警察は捜査から外すのも分かるオリヴァーの状態だった。
オリヴァーに関しては、やはりゾフィアの接し方や感情の持ち方が酷い。
自分の非を子どものせいにしている所もあるような。
そして、前作まで恋人だったインカも驚きの人物だった。
色々突っ込み処がある物語だが、あまり長さは気にならずに読み進められた。

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