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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「死刑囚」  アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム 

2019年08月14日 | 読書
「死刑囚」  アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム   RHブックス+プラス   
Edward Finnigans Upprattelse              ヘレンハルメ美穂・訳

冬の朝、ストックホルムで起きた傷害事件。
単純な事件だった……逮捕された男が、6年前にアメリカの監房で死んだ死刑囚とわかるまでは。
恋人を殺し、死刑囚となった男だったが、刑の執行を待たずに独房で死んだ……はずだった。
男の死刑を見届けることだけを支えにしていた被害者の遺族、男を間近でみていた看守……
6年間止まっていた時が再び動き出す。
あの時監房で何があったのか?
生きていた死刑囚はどうなるのか?
やるせない衝撃の結末が胸を打つ!
  <文庫本裏カバーより>







アメリカ、オハイオ州のマーカスヴィル刑務所死刑囚監房に収容されているジョン・マイヤー・フライの様子から物語は始まる。
過去と現在。
現在は、スウェーデンでジョン・シュワルツが傷害事件を起こして逮捕されている。
やがてその男がジョン・シュワルツではない事が判明する。
ストックホルム市警のエーヴェルト・グレーンス警部らは、戸惑い謎を明かしていく。
読者の方が先に真相を知らされている感じ。
どうやって死刑囚が死んだ事になり、今スウェーデンで暮らしていたのか。
謎解きと言うよりも、その過程も順番に丁寧に語られる。凄い計画だ。
ジョン・マイヤー・フライの事件もどんなものだったのかも分かる。
だから、なんとかジョンが助ける道を見つけて欲しいと願いながら読んでいた。
ジョンの父親のルーベンの気持ちが痛いほど伝わる。
欧州は、死刑制度は廃止されている。
ルーベンの意見には納得が出来る。
それは日本も死刑をしているからなのかも。
しかし、冤罪がある限り、死刑は反対したい気持ちがある。
死刑にたいする考え方の違いも興味深い。
アメリカは死刑の時期もしっかり報道され、被害者の家族が立ち会える。
日本は終わってからの報告だけだ。
反対の声が大きくならないようにしているのだろうか。
死刑についても考えさせられる。
しかし、最後に明かされるヴァーノンの秘密。
何があっても、人の命を奪うことは許されないと思う。
そこだけは、もっと違う方法や、結末が良かった。

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