しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「砂」 ヴォルフガング・ヘルンドルフ 

2018年05月19日 | 読書
「砂」 ヴォルフガング・ヘルンドルフ   論創社    
 SAND   高橋文子・訳

北アフリカ、モロッコを思わせる都市が舞台。
街から離れたコミューンで強盗殺人が起こる。
侵入者アマドゥ・アマドゥがコミューンの住人を射殺して逃げるが捕まる。
中央警察署の刑事のポリドリオはフランスから赴任して来て2か月がたっていた。
同僚のカニサデスはこの国に馴染んでいたが、ポリドリオは馴染めないでいた。
そして、ポリドリオはアマドゥの犯行に疑問を持ち、調べ始める。
そんな頃、ヘレンが始めてアフリカを訪れる。
やがてヘレンは記憶を失った男を助ける。
自分の名前も憶えていない男を便宜上カールと名付ける。
カールはある納屋の2階で怪我をした状態で目を覚まし、そこから逃げて来ていた。
カールは自分が何者であるかヘレンと一緒に知ろうと探り始める。
しかし、突然襲われ拉致される。
相手は記憶喪失は偽物と考え、あるものを渡せと迫る。








良く分からない人物もたくさん出て来る。
1つの章が短いので、1度読んだだけでは把握していなくて通り過ぎた事が色々ありそうだ。
少し振り返って拾い読みしただけでも、この人物はここに出ていたのだ、というのもある。
良く分からないなりにも、読み進むのに苦労はなく面白かった。
ただ暴力的な所は苦手だけれど。
だからもう1度読んでみるともっと色々分かるし、感じるだろうと思う。
でも、間を開けたらまた忘れているかな。
誰かに解説して欲しいくらいだが。
カールが誰かは、最後まで書かれてはいない。
それまでの登場人物の誰かで、多分この人だろうと思って読んでいたが。
はっきりしないと、ちょっとモヤモヤする。
そして、ラスト。
まさかこの人物が死ぬとは思ってもいなかったので驚く。
あれだけ苦労して、やっとこれから進めるのかと思ったのに。
そして探してた物は、最後はある少女の手に渡り、少女と一緒に取り壊しのショベルカーに捨てられてしまう。
虚しい。
不思議な物語。
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