しましましっぽ

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「真実の裏側」 ビヴァリー・ナイドゥー  

2006年01月23日 | 読書
1995年、ナイジェリアが独裁者アバチャ将軍の支配下にあった時。
ナイジェリアの町ラゴスで、シャデーの母は銃弾に倒れる。
軍事政府の批判記事を書きつづける、ジャーナリストの父を狙った何者かの仕業だった。
身の危険を避ける為、イギリスへの脱出を計画した父と伯父は、シャデーと10歳の弟のフェミが直ぐに飛行機に乗れる手段を見つけ、先に送り出す。
見知らぬ婦人の子どもとしてロンドンに着いた二人だが、迎えに来るはずの叔父は現われず、婦人も行方をくらまし、二人だけになってしまう。
二人は怖い思いをした後、警察に保護され、難民としてジャマイカ出身のキング家に預けられる。
見知らぬ婦人が、自分の名前を明かしたら、父親が脱出出来ない事になると言われ、二人はナイジェリアでの出来事や、自分の本当の名前も隠していた。
二人は学校に行く事になるが、シャデーはアフリカから来たと言うだけで、苛めに合い、
フェミは心と口を閉ざしてしまう。
何日かして、父が不法入国で拘束されている事を知る。
このままでは、強制送還されてしまう事を恐れたシャデーは、ニュースキャスターに訴える事を考え実行。
それがうまくいき、父の事がマスコミで取り上げられ、入国審査の結論が出るまで仮釈放が認められる。


アフリカではまだ、民族紛争、国内紛争が続いている。漠然と知っているが、そこで国民がどんな目に合っているかまではよく知らない。
難民の人達のニュースを見て心が痛むけれど、実情は知らない。
ナイジェリアと言えば、サッカーの強い国と一番に思う。W杯アメリカ大会でナイジェリアのサッカーを見ている時、その国ではこんな事が起こっていたのだ。
作者のビヴァリー・ナイドゥーさんは1943年、南アフリカに生まれ、大学時代の反アパルトヘルト運動に身を投じ、1965年にイギリスに亡命している。
このようなテーマで児童文学を書き、いくつも受賞している。
児童書なので、読みやすく書かれているが、大人と子ども、区別する必要のない作品だと思う。(多くの児童書がそうだが)
これは物語だが、似たような事はたくさん起こっていると思う。
本の中でしか知る事が出来ないが、もっと多くの事を知っていきたい。
日本は本当に平和で、これはなにより守っていかなければならない事、と強く思う。
そして、この平和が他の国にも広がる様に力を貸していかなければならないとも思う。
難民の受け入れを日本が認めていないのは、自分の事しか考えていないからなのか。
みんなで助け合える世界になれるといい。
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1 コメント

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おっぱい大作戦 (みなみな)
2006-01-26 09:27:34
物語でしたか!

でも「真実の裏側」かもしれません。

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