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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「君の館で惨劇を」 獅子宮敏彦 

2013年12月20日 | 読書
「君の館で惨劇を」 獅子宮敏彦   南雲堂   

三神悠也と白縫乙哉は幻遊城と呼ばれる、幻城戯賀の個人美術館に来ていた。
三神と白縫はミステリー作家で、幻城戯賀は横溝正史や江戸川乱歩などの小説の場面を描く画家だった。
その日、幻遊城に女王蜂が来訪すると言う情報が入ったからだ。
女王蜂とは、大富豪、天綬在正の再婚相手で23歳の麗火。
天綬在正はミステリマニアで、幻城戯賀のパトロンと言われていた。
情報通り、麗火に会えた2人は、それぞれ手作りの小物を貰う。
それから2年後。
三神は、天綬在正の館に招かれる。
黒死卿と名乗る人物から脅迫状が届き、乱歩と正史に挑んだ密室の中で殺人を起こすと言う。
そこに、難解な事件を解き明かすダーク探偵と、そのワトソン役として三神が指名される。
そして、予告通り、2つの密室〈赤い乱歩の密室〉と〈白い正史の密室〉で殺人が起こる。








横溝正史は何冊か読んでいるが、ドラマや映画で見て知っている方が多い。
江戸川乱歩はあまりよく知らない。
その他登場する作品も、知らない方が多いのだが。
それでも、幻城戯賀の絵や、天綬の館の様子の雰囲気は伝わって来て、物語を読み進むのには支障はないと思っていた。
ダーク探偵の滑稽さがあったが、この物語は密室のしっかりした謎解きが楽しめるかと思った。
だが、どうやら違っていた。
密室の謎解きを楽しむより、正史や乱歩の世界を楽しむものだったのかも知れない。
赤い密室は、それを作る為の過程が普通ではない。
白い密室は、それはないだろうという感じ。
白縫が何かに係っているのだろうと予想していて、それは別の意味ではそうだったけれど。
もっと大きな謎や、意外な結末を期待していた。
肩透かし。
出だしの、幻遊城の所はすごく雰囲気が良く、期待したのだ。
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