しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「KIZU ―傷―」 ギリアン・フリン

2014年05月16日 | 読書
「KIZU ―傷―」 ギリアン・フリン   ハヤカワ・ミステリ文庫    
 SHARP OBJECTS           北野寿美枝・訳 

カミル・プリーカーはシカゴで4番目に大きな新聞社《シカゴ・ディリ―・ポスト》の記者。
ある日、編集長のカリーはカミルの生まれ故郷、ウィンド・ギャップに取材に行くように言う。
そこで、少女の連続殺人が起きているらしいと言う。
カミルは母親アドラ・クレリンとの確執で、故郷を出ていたが電話で連絡は取り合っていた。
しかし、少女殺人事件のことはアドラからは何も聞いていなかった。
帰りたくはなかったが、カリーに期待に応える為、8年振りの帰省をする。
被害者の少女は、昨年の8月に殺されたアン・ナッシュ9歳と、今は行方不明のナタリー・キーン10歳。
しかし、カミルが取材を始めてすぐにナタリーの遺体が発見される。
2人は歯が抜かれていた。






カミルは事件を追うだけではなく、故郷に帰ったことで起こる苦悩がある。
カミルの精神状態がこちらにも影響して、重い気持ちになる。
悩みは人それぞれ違うが、それほどまで気にするのかと思うものもある。
人との関係を、より強くより良く求める人ほど陥る悩みか。
カミルとアドラの関係は、読み進めて行くうちに見えて来る。
結果、問題があったのはアドラの方だと分かるだが。
しかもかなり深刻な問題。
子どもでは対処出来ない事。
そんな時はどうしたらいいのだろう。
今も、そのような問題は続いている。

少女殺人事件とはまた違った様相が登場して、興味深くなって行く。
物語は、最後のほうでバタバタと急展開。
それまで、何となく謎めいていたことが、分かるのだが。
それまでの展開が長く、最後に詰め過ぎた感じ。
最後まで、重い気持ちのままで終わってしまう。
人間の異常な精神は、どうしようもないものなのか。


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