しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「死を騙る男」  インガー・アッシュ・ウルフ 

2013年07月12日 | 読書
「死を騙る男」  インガー・アッシュ・ウルフ    創元推理文庫
 THE CALLING                    藤倉秀彦・訳

カナダ、オンタリオ州ポート・ダンダス。
小さな田舎町で、81歳の末期癌の女性ディーリア・チャンドラーが死体で発見される。
喉が切り裂かれ、身体からは血が抜き取られていた。
ポート・ダンダス署、署長代理の61歳の女性ヘイゼル・ミケイリフが捜査にあたる。
人材も設備も不足している小さな町。
トロントからジェームズ・ウィンゲートが赴任して直ぐに捜査に加わる。
そして、2日後に325キロ離れたチェインバリンで新たな死体が発見される。
多発性硬化症を患っていたマイクル・アルマー。
2つの状況から共通のものを見出したウィンゲートは、連続殺人を指摘する。
犯行を行っているサイモンには、明確な目的があった。





事件と同じくらい、周りのことも丁寧に書かれている。
ポート・ダンダスの警察の現状や、ヘイゼルの身近な問題。
そして、狂信的殺人犯サイモンとその被害者たち。
殺人事件として解決しようとする警察よりも、サイモンとその被害者の方に気持ちが動く。
被害者が求めるのは、何だったのか。
それを差し出せるのは、サイモンだけだったのか。
サイモンの儀式が、もっと穏やかだったらこの事件は発覚しなかったのかも知れない。
しかし、サイモンが感情を爆発させるのは、やはり偽物だったからか。

なぜ、ディーリアは荷物を送ったのだろう。
これが、警察がたどり着く要因になったのだが、この辺りがはっきりしない。
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