しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「夢幻花」  東野圭吾 

2013年11月01日 | 読書
「夢幻花」  東野圭吾   PHP研究所     

蒲生蒼太の家では毎年七夕の頃、家族で台東区入谷の朝顔市を見て鰻を食べるのが恒例になっていた。
14歳の蒼太はそれが憂鬱になって来ていた。
13歳年上の兄、要介が不平を言わないのも不思議だった。
大学生の秋山梨乃は従兄弟、鳥井尚人を自殺で喪った数か月後に祖父を喪う。
祖父、秋山周治は自宅で日中に殺され、第一発見者が梨乃だった。
梨乃は周治が育てている花をブログで紹介する手伝いをしていた。
梨乃は周治が咲かせた珍しい黄色い花の鉢植えが無くなっているのに気が付く。
それは、何故かブログに載せるのを止められていた花だった。
梨乃は、その花が祖父殺害に関係しているのではと疑い、その花の写真をブログに載せる。
その翌日、蒲生要介と名乗る男から、花に付いて話したい事があるから会いたい、そして写真は直ぐに削除した方がいいとメールが届く。
要介は黄色い花の種に興味を示したが、具体的な事は何も話さなかった。
納得出来な梨乃は、要介の自宅を訪ね、弟の蒼太に出会う。
蒼太は何も知らなかったが、兄の不審な行動に興味を持ち、梨乃と一緒に黄色い花の調査を始める。







黄色い朝顔が持つ謎。
そうか、朝顔には黄色がないのだと改めて思ったりして。
そんな朝顔や花の話も面白い。
薀蓄話はくどくなく、これくらいが丁度いい。
伏線が丁寧に張られている。
色々な事が分かった時に気が付いて納得。
上手に絡まり合っていて、流石だ。
負の遺産も引き継ぐ。
現代の中に、忍者のように隠密行動をする者たち。
物語っぽいが、実際にいるのかも知れないと思える。
秋山周治の様な人物が登場したことも、とても気持ちがよくて嬉しい。
周治と早瀬裕太の物語も、とても良かった。
正義の人正しい人を、物語の中でも知る事はプラスになると思う。
裕太の礼儀正さも見習いたい。
最後に蒼太が出した、将来の道の選択。
このような人がいて欲しい。



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