しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「メドゥサ、鏡をごらん」 井上夢人 

2007年06月28日 | 読書
小説家、藤井陽造が異様な死に方をした。
自宅のガレージで、セメントで固められ石の彫像のような姿で発見されたのだ。
状況からみて自殺と判断される。
遺書はなかったが、側にあった小瓶の中に「メドゥサを見た」と1行だけ書かれたメモがあった。
私の婚約者、藤井奈名子はその藤井陽造の一人娘だった。
私と菜名子は陽造が残したノートから、未完の小説があると推測し、それを捜すために陽造の自宅があった山梨県韮崎に行くが、見つけ出すことは出来なかった。
ノートからは「石海」に何度も訪れているらしいことが分かるが、石海が何処にあるかは分からなかった。
そして、「メドゥサを見た」という書き込みも見つける。
ノートを頼りに調べ始めた私に奇妙なことが起こり始める。



かなり不思議な展開で、どきどきしながら読み進めていったのだが、段々尻つぼみというか、始めに提示した謎が生かされなくて、どういう方向に行くのだろうと思っているうちに、ウヤムヤで終わってしまった。
というか、前半と後半の話が別もので、繋がっていないような感じ。
前半の謎が後半、解決されていないのではないか。
「メドゥサを見た」。それでどうして陽造はそうなっていくのだろう。
藤井陽造がメドゥサを見たからといって、恐れなければならないのだろうか。
それに、私と陽造の繋がりも、釈然としない。

何となく、折原一さんの物語を思い出させる展開だが、井上夢人さんでは、きちんと推理が出来る物語が読みたいと思ってしまった。
折原さんは、不思議な話でもきちんと納得させてもらえる。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ダレカガナカニイル・・・... | トップ | THE ALFEE LIV... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事