10月の終わりの、とある早朝。
とある駅前に到着した夜行バスから、すぐさま、とあるローカル線に乗り換えて、
私は とある所を目指していました。
始発列車。
昇り始めた朝日を背に、西へ。
そして、
もっと小さなローカル線に乗り換えて、
北へ。
稲刈りの終わった田んぼが見える。
その向こうには、小さな山の連なり。
懐かしい気持ちが湧く。
パノラマの大地が見える。
だだっぴろい世界を、まっすぐ突っ切る道。
「ああ、あのど真ん中に立ち尽くしたい。」と想う。
すっかり穂を太らせたススキが過ぎ去っていく。
丘のような山のような、、小山も現れる。
ツタびっしりの小屋だとか。
畑の端っこに植えられた菊も見える。
この日の天気予報は、
雨。
実際、時折ぱらつく雨。
どうか晴れてくれ、と、その願いが通じたのか、
常に危うい感じで垂れ込めたままでありつつも、
雨は、ギリギリで持ち堪えてくれている様子。
でも、山の天気は気まぐれなもの。
やっぱり、ザーッと来たりして。
と思えば、
ドキドキするほどの青い晴れ間さえ。
一喜一憂。
降ったり止んだりする、ということは、
そう、やはり。
虹が現れてくれました。
結局、
虹は三度も、現れては消え、
現れては消えてゆき。
小さな電車は、北へ、北へ。
山も見えつつ、
海も見えつつ。
手の届きそうなほどに近く。
北国だから、
東京よりも 紅葉が進んでいる。
目的地では、もしかしたら、
ベストタイミングの、最高に色鮮やかな錦模様の紅葉が、見られるかもしれない。
期待にドキドキしながら、
北へ、北へ。
相変わらず
怪しい雲行きにハラハラしながら、
北へ。北へ。
同じ車輌には、自分のほかには一人だけしか乗っておらず。
学生っぽい男子。ずいぶんと身軽な格好。
彼は一体どこまで行くのかな。
と、少しだけ気にしつつ。
海と山に挟まれて、
小さな線路は、北へ、北へ。
もうすぐ着くな。
バックパックから上下のレインジャケットを取り出す。
*
静かな、
小さな駅に降り立った。
電車はさらなる北へ、さっさと走り去って行く。
無人駅。
といっても、数人、人が居た。
駅内にある土産やさん。店を開く支度をしている。そのうちの一人の女店主が、車掌の代わりなのだろう、ホームからの扉を開けたところで待ち構えて、切符を取った。
同じ車輌に乗り合わせた彼も、ここで降りた。
目的地は、おそらく、、というか、100%、同じ。だろう。
あいにく。
雨が降り出していた。
霧よりも大きく、でも大して気にならないくらいに小さい、雨が降っている。
十数分で、バスが来る。
手を上げて身を乗り出して、アピールする(田舎ではそうしなければならない)。
そして、
バスに乗る。
例の彼も、続いて乗り込む。
まだ口もきいていなければ、まともに目を合わせてすら居ない関係。
でもお互いにきっと同じことを思っている。
「この人も、○○に行くんだな。」と。
バスは、目的地へ向かう。
走る車窓の外には、もうすでに
鮮やかな色彩が迫り来る。
どんよりした天気も吹き飛ぶほどの。
ああ、やっぱり、ベストタイミングだったのかも。
ぐねぐねと蛇行しながら、山道をじわじわ登っていくバス。
車窓の外に流れる色。
終点まで、15分。
期待はじわじわ確信に。
そしてバスは、
目的地、終点にたどり着いた。
そこからは、
歩いてゆく。
与えられた時間は、1時間25分。
のろのろしているヒマは無い。
ドキドキしながら、足早に、歩く。
今年初めての落ち葉の道を、踏みしめ、
歩く。
>>続く>>
とある駅前に到着した夜行バスから、すぐさま、とあるローカル線に乗り換えて、
私は とある所を目指していました。
始発列車。
昇り始めた朝日を背に、西へ。
そして、
もっと小さなローカル線に乗り換えて、
北へ。
稲刈りの終わった田んぼが見える。
その向こうには、小さな山の連なり。
懐かしい気持ちが湧く。
パノラマの大地が見える。
だだっぴろい世界を、まっすぐ突っ切る道。
「ああ、あのど真ん中に立ち尽くしたい。」と想う。
すっかり穂を太らせたススキが過ぎ去っていく。
丘のような山のような、、小山も現れる。
ツタびっしりの小屋だとか。
畑の端っこに植えられた菊も見える。
この日の天気予報は、
雨。
実際、時折ぱらつく雨。
どうか晴れてくれ、と、その願いが通じたのか、
常に危うい感じで垂れ込めたままでありつつも、
雨は、ギリギリで持ち堪えてくれている様子。
でも、山の天気は気まぐれなもの。
やっぱり、ザーッと来たりして。
と思えば、
ドキドキするほどの青い晴れ間さえ。
一喜一憂。
降ったり止んだりする、ということは、
そう、やはり。
虹が現れてくれました。
結局、
虹は三度も、現れては消え、
現れては消えてゆき。
小さな電車は、北へ、北へ。
山も見えつつ、
海も見えつつ。
手の届きそうなほどに近く。
北国だから、
東京よりも 紅葉が進んでいる。
目的地では、もしかしたら、
ベストタイミングの、最高に色鮮やかな錦模様の紅葉が、見られるかもしれない。
期待にドキドキしながら、
北へ、北へ。
相変わらず
怪しい雲行きにハラハラしながら、
北へ。北へ。
同じ車輌には、自分のほかには一人だけしか乗っておらず。
学生っぽい男子。ずいぶんと身軽な格好。
彼は一体どこまで行くのかな。
と、少しだけ気にしつつ。
海と山に挟まれて、
小さな線路は、北へ、北へ。
もうすぐ着くな。
バックパックから上下のレインジャケットを取り出す。
*
静かな、
小さな駅に降り立った。
電車はさらなる北へ、さっさと走り去って行く。
無人駅。
といっても、数人、人が居た。
駅内にある土産やさん。店を開く支度をしている。そのうちの一人の女店主が、車掌の代わりなのだろう、ホームからの扉を開けたところで待ち構えて、切符を取った。
同じ車輌に乗り合わせた彼も、ここで降りた。
目的地は、おそらく、、というか、100%、同じ。だろう。
あいにく。
雨が降り出していた。
霧よりも大きく、でも大して気にならないくらいに小さい、雨が降っている。
十数分で、バスが来る。
手を上げて身を乗り出して、アピールする(田舎ではそうしなければならない)。
そして、
バスに乗る。
例の彼も、続いて乗り込む。
まだ口もきいていなければ、まともに目を合わせてすら居ない関係。
でもお互いにきっと同じことを思っている。
「この人も、○○に行くんだな。」と。
バスは、目的地へ向かう。
走る車窓の外には、もうすでに
鮮やかな色彩が迫り来る。
どんよりした天気も吹き飛ぶほどの。
ああ、やっぱり、ベストタイミングだったのかも。
ぐねぐねと蛇行しながら、山道をじわじわ登っていくバス。
車窓の外に流れる色。
終点まで、15分。
期待はじわじわ確信に。
そしてバスは、
目的地、終点にたどり着いた。
そこからは、
歩いてゆく。
与えられた時間は、1時間25分。
のろのろしているヒマは無い。
ドキドキしながら、足早に、歩く。
今年初めての落ち葉の道を、踏みしめ、
歩く。
>>続く>>
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