11月8日、今夜、各地で皆既月食が見られます。月が地球の影に完全に入る「皆既月食」が日本から観察できるのは、昨年5月26日以来約1年半ぶりだそうです。
18時9分ごろから月の部分食が始まり、19時16分にはすっぽりと地球の影に隠れる皆既食に入ります。皆既食は20時42分まで約86分間続きます。その後、徐々に欠けた部分が小さくなっていき、21時49分に部分食が終わって満月に戻ります。
皆既月食の間、太陽からの光がわずかに月を照らすため、月は真っ暗にならずに赤黒く幻想的な「赤銅色」に見えます。（夕やけと同じで、太陽の白い光が地球の空気やちりに当たって散らばって、赤っぽい光だけが月に届く）
ただし、毎回同じような色になるわけではなく、地球の大気中のチリの量によって明るくも暗くもなるのです。チリが少ないときには、大気を通り抜けられる光の量が多くなるため、月はオレンジ色のような明るい色に、一方で、大気中にチリが多いと、大気を通り抜けられる光の量が少なくなるため影は暗くなり、月が灰色に見えたり、あるいは本当に真っ暗で月がほとんど見えなくなったりします。今夜の皆既月食の月の明るさに、注目して観てみたいですね。
また、月が天王星を隠す「天王星食」が同日に観られる貴重な日で、東京では天王星が20時41分に月の後ろ側に潜入開始し、21時22分に再び出現するそうです。皆既月食が終わる直前、赤銅色で暗くなった月の近くに、天王星が見えるかもしれませんね。（天王星は6等星で、普段は月の近くだと月の明るさで見えないのです）
