ひょうごの在来種保存会

会員さんも800名を越えました。活動報告を発信します。

220710○○のふき④

2010年07月18日 | 調査活動


ここのふきは「根元の赤いの」と「根元も緑色のままのもの」とがあるそうです。
「やせた土のところや、よく日の当たるところは赤いのが生えている。」とかおっしゃっていました。(アントシアンがストレスででたものかな?)
「肥料やったんは、集荷した後、店でふにゃふにゃになっちゃうわ。だから肥料はやらん。」たくさんとろうと肥料やったら味が悪くなるそうです。

収穫ははさみや鎌で丁寧に行われます。引っこ抜くと根が傷つき生えてこなくなるそうです。
村のあちこちに生えていますが、出荷するものなので、他の人の田んぼや山のものは採らないようにしているそうです。この地域には「このふきは共同出荷していますので、採取はご遠慮ください」っとの看板が掲げられております。(このため、ネット上では「○○のふき」の表現にしています。)

4月に生えるのが一番ぶき、6月に草刈った後に生えるのが二番ぶき。2回食べることが出来ます。その後も生えるそうですが、これ以降のは固くなって美味しくないそうです。

このようなすばらしい地元のふきなのですが、今、事態は深刻です。
4~5年前から鹿がでてきて、ふきを食べてしまいます。それも春先のふきのとうも食べてしまうので、その後、ふきがでてこないそうです。また、イノシシは根を掘ってしまうそうで、これも生えてきません。「昔は鹿はフキを食べなかったのになぁ。。。」と村の皆さん。

村は一面、防護柵だらけになりました。獣とのおっかけっこ、知恵比べの戦いです。
農村で農作物を作れないなんて、産業と生活を取り上げられるようなもの。「自給」が閉ざされてしまいます。

在来種は今の時代には合理的な食べ物ではないかもしれないけれど、先人の文化や知恵を気づかせ、今の生活を見直させ、新しい出会いを授けてくれ・・・我々の生活を豊かにしてくれます。村の皆さん、がんばってください。

帰りにおばあちゃんに、
「お米は何をつくっているんですか?」とお聞きすると、「キヌヒカリや。山だからあんまし(単収は)とれんけど、おいしいで。なんせ水がええからな。水だけはきれいなで~。」

村中が、清流なんですよ!


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