ひょうごの在来種保存会

会員さんも800名を越えました。活動報告を発信します。

保存会通信17号(25年春)丹波ささやま山の芋 フェスタを終えて1 酒井菊代

2013年05月11日 | 保存会通信17号
丹波ささやま山の芋フェスタを終えて1        
丹波篠山地区世話人 酒井 菊代

 思い起こせば平成23年12月11日に「おい、篠山へ行くからお前も出てこい。」といういつもの山根さんの呼び出しで、私も初対面の山の芋部会長である田中さんのご自宅に、丹波ヤマノイモの聞き取りに行かせていただいた時にさかのぼります。
 どういう風に切り出せば会のことを理解してもらい、種の話しが詳しく聞けるかと探っている時に、同席していたセレクトの住本さんが、「篠山の芋はほんまに美味しいから使わせてもらってます。」とほめてもらったことから、話しはいっぺんにほぐれて盛り上がり、もっとこの味をサイズの小振りな芋を好まれる一般家庭向けでなく、本物の味を求めている料理人に知ってもらい、大きな丸い生産者の自慢できるヤマノイモが生産できるようになればいいのにねという意見が出てきました。

 「ほないっぺん篠山でどーんと山の芋イベントしたらどないや。」と話しは進み、大阪は住本さんが、篠山はお前がまとめて秋の収穫の頃にやろうとなんとも勢いだけで話しは始まりました。

 春、夏の野菜の種蒔きや作付け、田植えと農作業に追われていた7月1日、住本さんがフランス料理のシェフのコルビさんと一緒に篠山に来られ、「そろそろ打ち合せしましょか…」という事になり再び田中部会長さんのお宅で話しは盛り上がり、日程や会場の準備が始まりました。
 それから、何度住本さんと電話やFAXを交わし篠山へ足を運んでもらったことやら、住本さんに感謝感謝です。彼の人徳で有名なシェフや料理人が、忙しい合間をぬって参加してくれたのだと思います。

 私の方は、市の山の芋推進協議会から、「お前は何もので何をしようとしているのか?」とおたずねがあり、説明に行くというハプニングがありました。味や品質をお客様に尋ねたり、聞いたり比べたりしたことが一度もないという協議会のえらいさんの言葉に、篠山は殿さん商売してると云われていることを実感しました。
 間際までドタバタの準備が続き、フェスタ当日はあいにくの雨模様でしたが、100人近くの参加者が山の芋に関わる一日をすごしていただきました。
 種を採るほうからでなく、食べる、使う側からの芋の使い方は、生産者としてとても新鮮でした。
 午前にうかがった梅崎先生のお話しの中の、正しいヤマノイモの表記が、午後からのお料理の中に住山ごぼうの薯蒸しとありました。在来種保存会としては、種の話や栽培の話など広げたい話題ができず申し訳なく思っています。
 ただ、今回の事がなければまず知ってもらえなかったであろう居酒屋の店長さんや料理人の方達に、会の事を知ってもらいこだわりの野菜を広める一助になったかと思っています。
 種を守るためにも、栽培する人、使う人、食べる人、それぞれの意見を聞き、聞いてもらう事は大事なことと改めて実感した今回のフェスタとなりました。

 保存会の皆さんには本当にお世話になりました。ありがとうございました。