凡夫の日常(たんたんぴー日記)

たんたんぴー(キジョラン)は綿毛のついた種です。風に吹かれてどこに飛んでいくやら。淡々坦々にも通じる気持ちです。

失われた故郷の海水浴場

2016-07-12 | 日記
現在も白砂青松100選になっている浜辺は家から歩いて10分で遊び場だった。大正時代に海水浴場として使われるようになったらしい。当時は今より遠浅で砂浜も広かった。母親によれば夏はアトラクションで競馬もやっていたという。いくつかの別荘があり山口誓子のもあった。中学校の校歌はその俳人の作である。
60年前でも遠浅で干潮時は幼稚園児もかなり沖まで歩いて行けた。水はきれいで砂浜から湧いて出る水を堰き止めダムを作って遊んだ。アサリやハマグリ、バカガイ、マテガイはたくさん採れた。なぜか地元の人は貝採りに熱心でなかった気がする。貝採り目的で海に行ったことは少ない。
海が賑わったのは昭和20~40年代である。日曜日は大阪や名古屋から大勢押し寄せた。砂浜が人で埋まったものである。昭和50年代中ごろに久しぶりに夏の海岸を訪れたら日本人は少なく、ブラジル人と中国人ばかりだった。バーベキューで煙モクモクで臭いがしたり大声出し大騒ぎ。海は汚れ昔の素敵な松の大木がならぶ防風林も半分以下になり砂浜も痩せた。その後行ったことはない。元にはもどらない。