そろそろ寺報が皆さまのお手元に届く頃だと思います。
今回の表紙は、山門をくぐって左手にある水盤舎でした。
ちなみに、カラーするとこんな感じです。
そして、ボツになったのはコチラの写真です。
反対の角度から撮ったものですが、龍の爪に水盤の栓につながるチェーンが引っ掛かっていることに住職が気づき、敢えなく却下となりました。
お寺では、いたるところで龍を見ることができます。
それは、龍が仏法を守護する存在であることに起因します。
そもそも龍は中国の神話に登場する架空の存在でした。
それがなぜインド発祥の仏教に、当然のごとく関わっているのかというと、仏典にも登場するインドの水神であり蛇神でもあった「ナーガ」が、中国に伝わった際に「龍」や「竜王」と漢訳されたことから、仏教においての龍が定着しました。
そしてこの漢訳は、人の名前においても使われました。
浄土真宗の七高僧(親鸞聖人が選定されたインド・中国・日本の7人の高僧)の第一祖にあたる龍樹(菩薩)は、サンスクリット語で「ナーガールジュナ」というお名前でした。
(「ナーガ(蛇)」+「アルジュナ(インド神話に登場する英雄の名前)」が合わさった名前)
ちなみに、龍樹菩薩が七高僧に選定された理由の一つに、「難易二道」の発揮(独自の教義展開)があります。
これは『正信偈』の龍樹菩薩の段のところにも、
「顕示難行陸路苦 信楽易行水道楽」
と示されています。
意味が気になり、更にしっかりと学びたいと思われた方には、『正信偈』をテーマにした今期の神奈川組仏壮研修会へのご参加をオススメいたします。
そして余談ですが、『龍樹菩薩伝』という伝記には、とても口にはできないエピソードも含んだ波乱万丈のご生涯が描かれています。
七高僧のイメージが崩れてしまうような場面もあるので、こちらはあまりオススメできない…かな(苦笑)
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