佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

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放射線治療専門医制度に関して

2008年02月20日 17時08分07秒 | 診療紹介Q&A
日医放のメーリングリストで以下のメールが配信されてきました。
みなさんにも読んでいただきたく、以下にご紹介します。 from kum
(一部伏字にしてます。)

K大学 Yです。

先日、日医放九州地方会が鹿児島で開催され、その時の世話人会で専門医制度の
ことで理事会報告がありました。現在JASTRO認定医と日医放専門医の間で特に治療専門医として一本化しようということで話が進んでいるそうです。同じような資格を二つの学会で統合しようというのは大変結構なことだと思います。ただ聞くところによると日医放とJASTROの委員の間で、認定資格の間に若干の溝があるとのことです。

日医放の委員に対してJASTROの委員は資格のハードルを高めに設定したい意向があるという話です。その中で認定医(一次)の研修条件でも2年のうち少なくとも1年は治療認定医+もっぱら治療を行う医師がいる施設、つまり治療医が少なくとも2名以上いる施設でないと認めないという意見が出ているそうです。高いレベルの放射線治療医を育てたいということであれば致し方ないのでしょうか。

しかし、実際には一般の市中病院で治療医が2人以上いる施設は極めて限られてい
ます。ということは大学病院やそれに匹敵する施設以外での後期研修は認めないと
いう立場のようです。それに対して小生は異論を唱えましたが、

①初期研修開始前後で、全国的には放射線科への入局数には大きな変化はないこと
②一昨年、昨年と放射線科入局者の9割以上は大学かそれと関連した施設であったので、大学中心で構わないであろうとのことでした。

確かに放射線科の性質上、機器の揃った施設でないと研修が難しいのも事実です
が、あまりにも間口を狭めるのは如何なものでしょうか。
大学外の病院で研修して、その後にその病院で後期研修もしたいと思う学生もか
なり多いようです。

○○でもいくつかの診療科で大学以外の病院での後期研修を希望した研修医がい
ましたが、大学側は関連病院での研修は認めないとして、関連病院ともめている話をいくつか聞いています。学会で大学中心の研修と決めてしまっては放射線科に興味を持っているが、大学外で研修したい多くの研修医を失ってしまうことになるのではないでしょうか。

もともと、内科、外科の勢力が強い日本の医学界にあって、放射線科がここまで
やれてきたのは放射線専門医制度が早くから整備されていた(そして入局すればほぼ確実に専門医になれた)点が大きいと思います。私など学生と話す機会も多いのですが、明らかに最近の学生は資格を取得することを重視しています。そのような意味から高いハードルを課して、自分の首を絞めてしまうのは得策とは思えないのですが。

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3 コメント

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確実に専門医? (mune)
2008-02-20 22:21:39
 kum先生、初投稿ありがとうございます。
 今年、認定医受験なのですが、世の中の流れをさっぱりわかっていないということを反省しました。
 1つ気になったのは、「入局すればほぼ確実に専門医になれた」というくだりです。
「入局してしっかりトレーニングすれば」ですよね?
専門医の先生方のご意見を聞いてみたいです。
 あと、放射線科は大学で学ぶことが多いので、他の診療科と異なって後期研修を大学外を希望する研修医は少ないのでは?
 いかがでしょうか。
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追加です (mune)
2008-02-21 12:33:25
MIZ先生に言われて、誤解を招くといけないので、コメント追加させていただきます。
 後期研修を大学外で希望する研修医が少ないのでは?としたのは、1つの施設のみで専門医までの研修を希望する研修医が少ないのでは?と言う意味です。
 施設によって症例のバリエーションがあり、得意分野・苦手分野があるので、様々な施設を回りながら研修をしたいのならば、やはり大学の医局に所属するのが得策と考えるのですが・・
返信する
その通り。 (kum)
2008-02-21 13:19:23
今回の治療専門医をめぐる話題とは離れますが、放射線診断部門においては、やはり、専門医になるまでは、すべての領域を満遍なく、経験することが大事かと思います。それが、比較的簡単にできるところが大学でしょう。
(追伸:私の勤務先は胸部領域、神経領域の症例の豊富さと、診療レベルの高さでは決して大学にひけをとりません。ぜひ、どなたか一緒に仕事をしませんか?)
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