前回の2008.02 抄読会で出した画像に関するコメントをいただきまして、本当にありがとうございました。
あまりにヒドイ問題の出し方だったことをまずお詫びします
前回出した画像の所見は、横行結腸壁の肥厚と強い増強効果、それに横行結腸周囲の索状構造、点状構造と軽度の脂肪濃度上昇がみられます。壁の増強効果は比較的均一に強く、明らかなターゲット状の層構造はみられません(造影タイミングがいわゆるenteric phaseではありませんが・・)。
この画像のみからいえるのは、MIZ先生、kum先生にいただいたコメントの通りで比較的深い層まで及んだ炎症を来した状態と考えられます。感染性腸炎よりは、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患が鑑別にあがり、血管炎に伴ったもの次に挙げられると思われます。全体的に均一な増強効果からは、線維化などの慢性炎症性変化を反映した所見が疑われます。
未提示の画像ではS状結腸~直腸に同様の炎症性変化がみられ、痔瘻・肛門周囲膿瘍がみられます。
臨床的にはクローン病と診断されていました。病理像でも、非乾酪性類上皮肉芽腫がみられていました。
画像のみではクリアカットに鑑別できない症例を、キー画像まで未提示で(故意ではありませんが)問題として出してしまい、本当に申し訳ありませんでした。半オフィシャルブログとして記事を投稿していますが、今回の問題については個人的なファイルから出したもので、当放射線科専門医のチェックを経ていません。次回からは、吟味の上、教育的な症例を呈示しますのご容赦下さい。
あまりにヒドイ問題の出し方だったことをまずお詫びします
前回出した画像の所見は、横行結腸壁の肥厚と強い増強効果、それに横行結腸周囲の索状構造、点状構造と軽度の脂肪濃度上昇がみられます。壁の増強効果は比較的均一に強く、明らかなターゲット状の層構造はみられません(造影タイミングがいわゆるenteric phaseではありませんが・・)。
この画像のみからいえるのは、MIZ先生、kum先生にいただいたコメントの通りで比較的深い層まで及んだ炎症を来した状態と考えられます。感染性腸炎よりは、潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患が鑑別にあがり、血管炎に伴ったもの次に挙げられると思われます。全体的に均一な増強効果からは、線維化などの慢性炎症性変化を反映した所見が疑われます。
未提示の画像ではS状結腸~直腸に同様の炎症性変化がみられ、痔瘻・肛門周囲膿瘍がみられます。
臨床的にはクローン病と診断されていました。病理像でも、非乾酪性類上皮肉芽腫がみられていました。
画像のみではクリアカットに鑑別できない症例を、キー画像まで未提示で(故意ではありませんが)問題として出してしまい、本当に申し訳ありませんでした。半オフィシャルブログとして記事を投稿していますが、今回の問題については個人的なファイルから出したもので、当放射線科専門医のチェックを経ていません。次回からは、吟味の上、教育的な症例を呈示しますのご容赦下さい。
そういえば、昨年、近大の下野先生とフィルムリーディングの会場で立ち話をしたときに、下野先生も第一印象を大事にするといわれていたのを思い出しました。もちろん、下野先生の場合は、膨大な知識量と推察力に裏打ちされた第一印象なのでしょうけどね。