読点「、」
『学研 国語大辞典』(金田一春彦・池田弥三郎編・学習研究社 1982・1・20)より
一文の中で、意味のまとまりや構文的な関係などを示すために、その区切ろうとする右すみに打つ「、」。読点は、一文中の語句の切れ続きを明らかにする必要のあるところに用いるのが原則で、多く用いすぎて、かえって全体の関係が不明になることのないようにしなければならない。具体的には、次のような場合に用いる。
(ア)叙述の主語を示す語句のあと。これらは、「は」「とは」「も」などで表示されることが多い。
○日本は、小さな島国である。
○ほんとうの親切とは、このようなものである。
ただし、主語・述語の関係にある簡単な語句が、条件句の中、または文末にあるときなどには、叙述の主語を示す「は」「も」などのあとでも、「、」を用いないでよい。
(イ)対等に並列する同種類の語句の間。
○野を越え、山を越え、どこまでも歩いていった。
○彼女は、テレビ、ラジオ、などで広く活躍している。
体言の並列には、「、」の代わりに「・」(中黒・クロポツ)を用いることができる。
(ウ)文頭に置く接続詞および副詞のあと。
○したがって、この点には触れないことにする。
○やがて、その村にも春が訪れた。
語句を並列する接続詞では、名詞を結びつける場合は、いっさい「、」を用いないが、その他の語句の並列には、その接続詞の前に「、」を打つ。
○山また山。こえウン末に
○美しく、そして悲しい。
(エ)提示・呼びかけ・感動などを表し、他の成文に対して比較的独立的な位置に立つ語句のあと。
○夕食後の散歩、ぼくはこれが何よりも好きだ。
○さあ、この中へおはいりなさい。
(オ)条件や限定を表す語句のあと。
○雨が降ったので、運動会は中止となった。
○家に着いた時、雨が降り出した。
ただし、語句が簡単なときには用いない。
(カ)他を隔てて離れた語句を修飾する語句のあと。
○どうしても、その山に登ることがあきらめきれなかった。
(キ)倒置法表現における、いわゆる正常文の文末部分。
○あす行きます、きっと。
(ク)会話文または引用文のあとを受ける「と」の下に主格や他の語句が来て、叙述のことばに直接しない場合には、その「と」のあとに打つ。
○「行きましょう。」と、花子さんが先に立った。
以上、一般の文章で読点を用いることが比較的原則的になっている場合を列挙したわけだが、この他にも、誤読を防ぐための読点使用(○普通、乗車券はいらない。 ○東京に来ている、彼の兄に会う。)、読みやすくさせるための読点使用(あじや、さばのような魚。)などがある。また、引用の「と」格助詞が、「 」をつけない引用文を受ける受け方には、a「~と、彼は思った。」、b「~、と彼は思った。」、c「~、と、彼は思った。」の三通りがあるが、aはすでに古く、bは現在一般に行われており、cは比較的新しい打ち方といえる。
句点「。」について
句点
一文が完全に終わったこと示すために、文末の右すみに打つ「。」。「 」や( )で囲まれている文にもつけるのを原則とするが、新聞や小説などではつけない場合の方が多い。題目・標語などのあとや箇条書きの各項のあとにはつけないが、箇条書きでも、「こと」「もの」「とき」「場合」などで終わるときはつけるのを原則とする。
『学研 国語大辞典』(金田一春彦・池田弥三郎編・学習研究社 1982・1・20)より
句点(。)は文末のみに打つ
句点を文末のみで打つことは常識だと思いますが、現実には、文の途中に打ってしまっているケースがしばしばあります。(◆原文、◇改善案)
◆綺麗な音色で演奏している人たちを見て、格好いいな。と感じた。
◇綺麗な音色で演奏している人たちを見て、格好いいな、と感じた。
◇綺麗な音色で演奏している人たちを見て、「格好いいな」と感じた。
『文章表現力の決め手』(阿部絋久著 日本実業出版)より
句点は別に問題は無いと思いますが、学生の作文などで気になるのは閉じカッコの前にマル(。」)を打っていることですね。カッコの中でも文の終わりにマル(句点)を打つというのは、戦後文部省国語科発表した「くぎり符号の使い方」にもとづいて、先生がそう教えてきたからでしょう。
でも、カギかっこで区切られている上に、さらにマルを打てば、二重の区切りとなります。今ではそういう区切りの重用は教科書とか公用文に見られる程度で、一般的ではありません。
『必ず書ける「3つが基本」の文章術』(近藤勝重著・幻冬舎新書)
例会では、「原稿用紙の使い方」を、どう、子どもたちに学ばせるか、ワークショップふうに学習します。
例会は、横須賀市総合福祉会館、5階第3会議室。3時から5時までです。そのあと、食事会を開催します。どなたでも参加出来ます。連絡先 090-9811-3888 田中定幸
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます