かれこれずっと前になるけれど、2度目のカンチャナブリーに行ってきた。
→過去ブログ「カンチャナブリーの旅 ~クゥエー川鉄道・カオプーン洞穴~」
映画『戦場に架ける橋』の舞台となった、クゥエー川鉄道。
今回は、ここからゆっくりと 前回は乗れなかった鉄道に乗る。
第二次世界大戦中、日本軍が建設した鉄道で、タイからビルマまでの415㎞を結んだ鉄道路線。
戦後は、連合国軍によって、一部を残して撤去された。
正式名称は泰麺鉄道。(泰=タイ 麺=ミャンマー)
英語では、よく Death Railway (死の鉄道)の名で知られ、多くの労働者を犠牲にして作られた。
クゥエー川橋から乗車。
休日ということもあり、かなりの混雑。
車内は、天井に扇風機が回り、
時おり、タイ料理の弁当や、タイのお菓子を売り子が売り歩き、
古き良き 鉄道の旅を演出。
いくつも駅に停車しながら、終点のナムトック(滝)駅を目指す。
のんびり、のんびりと。
駅らしからぬ場所でも、人々がわさわさと降りていく光景もほのぼのしていていい感じ。
汽車の中では何もすることなく、ただ ぼうっと景色を眺めるのみ。
日本にいたらいつもせかせかとしていた私。
タイに来て、ずいぶん時間がゆっくり流れるようになってたけど、それも最初のうち。
次第に、生来のせかせかが出始め、家でも配属先でも時間を惜しんで
バタバタと行動している、そんな今の自分にはたと気づく。
汽車に乗ってしまった以上、終点まで行って、また折り返して戻ってくるまで、4時間ほど。
なにもすることがない時間。
何もさせてもらえない時間。
ただ、ぼうっとするだけの時間。
ちょっと早足になりかけていた今の私に必要な時間なのかも。
そんなことを考えながら、窓を流れる景色を ただただ ぼうっと見つめる。
劣悪な環境の中、休む暇なく働かされた労働者たち。
栄養失調、コレラやマラリア、次々と死者を出しながら。
断崖絶壁の建設現場で、人海戦術で行う作業は、死者をさらに多く出したという。
犠牲者の数は、今も推定でしかない。
この鉄道の枕木一本に1人の人間の命が相当するとも言われるほど。
死の鉄道と呼ばれる由縁でもあり、
路線中最もたくさんの命を落として工事が行われたこの断崖絶壁に入ると
列車はスピードを落とす。
「推定」という言葉の中に、勘定にさえ入れられず、
数えられないまま、この下に眠ったままの人たちが、どれだけいるのだろう。
そんな思いをのせながら、列車は進む。
川を見下ろし鉄橋を渡る。
さすが、有名なカンチャナブリー、泰麺鉄道。
見所になると、列車マニアやカメラマン達がこぞって、窓から体を乗り出しシャッターをきる。
私だって 負けていないのだ。
青春18切符 ポスター風
終点ナムトックでは、しばらく停車。
そろそろ出発かな、まだ時間はあるかな、
アイスクリームが食べたいな・・・
「アイスクリームは売っていますか?」と聞くと、
「あっちだ、あっち!大丈夫間に合うよ!」と車内の売り子さん。
列車を出ると
「こっちだこっち! 間に合うよ、大丈夫!」と駅員さん。 手招きして教えてくれる。
買っていると、プワーーーッっと汽笛が。列車が出発する合図。
「急げ急げ」と駅員さん。
遠くの車両から
「こっちだこっち!いそげ!」とさっきの売り子さん。
あわてて 戻ってとりあえず、どの車両でもいいので飛び乗る。
売り子さんは、
「日本人が乗り遅れた。」とかなり心配してくれていたらしい。
もといた車両にたどり着くと、
「おお、よかった!」と安堵の顔。
なぜか、周囲の乗客も安堵の顔。
列車も、私の乗るのを待っていてくれたし、売り子さんも駅員さんも周囲の乗客も
みんなで、 アイスクリームを買いにいかせてくれて、待ってくれた。
日本だったら・・・・ あり得ないな。
遅れたら容赦なく置いていかれるだろう。
乗客からは、迷惑千万!という顔でにらまれるだろう。
そもそも、アイスクリームを買いに「大丈夫、間に合うよ!」なんて行かせてくれるはずがない。
タイの人って、本当、こういうところがいい。
そんなゆったり汽車の旅も折り返して、もとのクエー川橋に戻り
ゆったり汽車の旅、終了。
歴史の中のタイと日本のつながりを考えさせてくれるに十分な
ゆったりとした時間。
カンチャナブリー 鉄道の旅のひととき。
→過去ブログ「カンチャナブリーの旅 ~クゥエー川鉄道・カオプーン洞穴~」
映画『戦場に架ける橋』の舞台となった、クゥエー川鉄道。
今回は、ここからゆっくりと 前回は乗れなかった鉄道に乗る。
第二次世界大戦中、日本軍が建設した鉄道で、タイからビルマまでの415㎞を結んだ鉄道路線。
戦後は、連合国軍によって、一部を残して撤去された。
正式名称は泰麺鉄道。(泰=タイ 麺=ミャンマー)
英語では、よく Death Railway (死の鉄道)の名で知られ、多くの労働者を犠牲にして作られた。
クゥエー川橋から乗車。
休日ということもあり、かなりの混雑。
車内は、天井に扇風機が回り、
時おり、タイ料理の弁当や、タイのお菓子を売り子が売り歩き、
古き良き 鉄道の旅を演出。
いくつも駅に停車しながら、終点のナムトック(滝)駅を目指す。
のんびり、のんびりと。
駅らしからぬ場所でも、人々がわさわさと降りていく光景もほのぼのしていていい感じ。
汽車の中では何もすることなく、ただ ぼうっと景色を眺めるのみ。
日本にいたらいつもせかせかとしていた私。
タイに来て、ずいぶん時間がゆっくり流れるようになってたけど、それも最初のうち。
次第に、生来のせかせかが出始め、家でも配属先でも時間を惜しんで
バタバタと行動している、そんな今の自分にはたと気づく。
汽車に乗ってしまった以上、終点まで行って、また折り返して戻ってくるまで、4時間ほど。
なにもすることがない時間。
何もさせてもらえない時間。
ただ、ぼうっとするだけの時間。
ちょっと早足になりかけていた今の私に必要な時間なのかも。
そんなことを考えながら、窓を流れる景色を ただただ ぼうっと見つめる。
劣悪な環境の中、休む暇なく働かされた労働者たち。
栄養失調、コレラやマラリア、次々と死者を出しながら。
断崖絶壁の建設現場で、人海戦術で行う作業は、死者をさらに多く出したという。
犠牲者の数は、今も推定でしかない。
この鉄道の枕木一本に1人の人間の命が相当するとも言われるほど。
死の鉄道と呼ばれる由縁でもあり、
路線中最もたくさんの命を落として工事が行われたこの断崖絶壁に入ると
列車はスピードを落とす。
「推定」という言葉の中に、勘定にさえ入れられず、
数えられないまま、この下に眠ったままの人たちが、どれだけいるのだろう。
そんな思いをのせながら、列車は進む。
川を見下ろし鉄橋を渡る。
さすが、有名なカンチャナブリー、泰麺鉄道。
見所になると、列車マニアやカメラマン達がこぞって、窓から体を乗り出しシャッターをきる。
私だって 負けていないのだ。
青春18切符 ポスター風
終点ナムトックでは、しばらく停車。
そろそろ出発かな、まだ時間はあるかな、
アイスクリームが食べたいな・・・
「アイスクリームは売っていますか?」と聞くと、
「あっちだ、あっち!大丈夫間に合うよ!」と車内の売り子さん。
列車を出ると
「こっちだこっち! 間に合うよ、大丈夫!」と駅員さん。 手招きして教えてくれる。
買っていると、プワーーーッっと汽笛が。列車が出発する合図。
「急げ急げ」と駅員さん。
遠くの車両から
「こっちだこっち!いそげ!」とさっきの売り子さん。
あわてて 戻ってとりあえず、どの車両でもいいので飛び乗る。
売り子さんは、
「日本人が乗り遅れた。」とかなり心配してくれていたらしい。
もといた車両にたどり着くと、
「おお、よかった!」と安堵の顔。
なぜか、周囲の乗客も安堵の顔。
列車も、私の乗るのを待っていてくれたし、売り子さんも駅員さんも周囲の乗客も
みんなで、 アイスクリームを買いにいかせてくれて、待ってくれた。
日本だったら・・・・ あり得ないな。
遅れたら容赦なく置いていかれるだろう。
乗客からは、迷惑千万!という顔でにらまれるだろう。
そもそも、アイスクリームを買いに「大丈夫、間に合うよ!」なんて行かせてくれるはずがない。
タイの人って、本当、こういうところがいい。
そんなゆったり汽車の旅も折り返して、もとのクエー川橋に戻り
ゆったり汽車の旅、終了。
歴史の中のタイと日本のつながりを考えさせてくれるに十分な
ゆったりとした時間。
カンチャナブリー 鉄道の旅のひととき。