あ・しねま・たいむ

今日も映画でまったり

殿、利息でござる

2016-05-19 23:56:33 | 映画 2016
金貸しの先代浅野屋甚内が、
お金を数えている場面から物語は始まりました。
暗闇のなか夜逃げしようとしている家族を見つけ、
甚内は二階から声をかけます「あんたには銭を貸していたな」

元気のいいコメディタッチの映画かな?という予想は、
いい意味で裏切られました。
笑いも勢いも、ついでにハラハラドキドキもあるけど、
なにより泣けてしまうの、悲しくてじゃなく感動して。
それが何度も。
登場人物は、劣等感を持っていたり、狡かったり、見栄っ張りだったり、
そんな人たちがほとんどです。
でもそれを否定していないんだよね~。
そして、オセロで裏返したら、黒が白に変わるように、
人間像が180度変わる人もいます。

原作は磯田道史著「無私の日本人」所収の一編「穀田屋十三郎」
なんと、実話にもとづく話なんだって。
実際にあったことで、計画は成就したとわかっていても、
それでも二時間あまり、祈るような気持ちで観てしまいました。
最期は心底ほっとしちゃったよ~。
しかし、どの俳優さんもハマり過ぎ・・・
藩の財政担当の萱場さん、ついに一度も笑顔を見せませんでしたね(笑)

結弦くん目当てで観た映画ですが、
観てよかった、もう一度観たい映画になりました。
いい映画だったなあ。

結弦くんは、終盤、城内での謁見シーンでちょろっと登場?
と勝手に思いこんでいましたが・・・
違ってました。


この歩いてくる姿に、私は即反応。
顔は見えないままだけど、それでもオーラはわかる(笑)
歩き方もだけど、ふわりと座った動作が自然でした。
ほんとにお殿様だなあ、と思っちゃった。
若くして藩主になり、けどヤンチャなとこも残っている、
そんな雰囲気が、その姿や話し方から醸し出されてました。
本番まで、出演者にも殿役は誰がやるか知らされてなかったそうですね。
本番シーンで結弦くんが現れたとき、
出演者全員、本当にビックリしたようです。



仙台藩藩主伊達重村が浅野屋で書いた、
「寒月」「霜夜」「春風」
なんのために書いたかは、映画館でお確かめを。


・監督  中村義洋
・穀田屋十三郎  阿部サダヲ
・菅原屋篤平治  瑛太
・浅野屋甚内  妻夫木聡
・とき  竹内結子
・藩の財政担当:萱場杢   松田龍平
・肝煎:遠藤幾右衛門  寺脇康文
・大肝煎:千坂仲内  千葉雄大
・穀田屋十兵衛  きたろう
・早坂屋新四郎  橋本一郎
・穀田屋善八  中本賢
・遠藤寿内  西村雅彦
・先代浅野屋甚内  山崎努
・妻きよ  草笛光子
・加代  岩田華怜 
・穀田屋音右衛門  重岡大毅
・なつ  山本舞香
・代官:橋本権右衛門  堀部圭亮
・仙台藩第7代藩主:伊達重村  羽生結弦
2016年5月公開


エンドロールで流れた歌が、
RCサクセションの ♪ 上を向いて歩こう でした。
この映画、中国でも上映してほしいな。
中国には結弦くんファンがいっぱいいるもの。