あ・しねま・たいむ

今日も映画でまったり

2005年版 キングコング

2017-04-07 10:33:55 | 映画 2005
1930年代、世界大恐慌下のニューヨーク。
失敗が続く映画監督カールは、後がない状態に追い込まれていました。
一方アンは、ヴォードヴィル劇場に出演していたのですが、
雇い主が逃亡して失業の身の上でした。
カールはそんなアンや脚本家のジャックらを言いくるめ、
入手した地図に描かれた謎の島「髑髏島」で撮影をおこなうべく、
密輸船ベンチャー号で強引に出航します。
霧の中、座礁しながらも一行は島に辿り着きました。
そこで出会ったのは、不気味な島民、絶滅したはずの恐竜や、
独自の進化を遂げた巨大な昆虫たちでした。
島民は「髑髏島」の王者として崇める巨大ゴリラキングコングに、
捕えたアンを生贄に差し出すのでした。
キングコングに連れ去られたアンでしたが、
触れ合ううちに、次第にキングコングと心を通わせるように。


キングコングは絵に描いたような漢です。
ツンデレだし壁ドンもどきもするし、でも一途だし。
身を挺して恐竜に襲われているアンを救って、
( 人間の男には出来ないよなあ)
助けられたアンがキングコングの顔を覗き込もうとしたら、
照れて顔をそむけたりして。

孤独な横顔を見せて、夕焼けを見詰めるキングコングに、
アンは「美しい?」と聞くのでした。

ジャックの恋敵はキングコング・・・・


カールは、船に大量に積んであったクロロホルムで、
キングコングを眠らせて拘束、ニューヨークに連れ帰ります。
ニューヨークで見世物となったキングコングは、
アンを求めて鎖を引きちぎり、ニューヨークの街を暴れ回ります。
暴れるキングコングの元に歩み寄るアン。
キングコングはそっとアンに手を差し伸べるのでした。
そんなキングコングに、アメリカ軍の攻撃が始まります。


追い詰められるとわかっていながら、
キングコングがエンパイア・ステート・ビルに登っていき、
頂上でアンと一緒に見る夕焼けが美しいの。
ビルばかりの都会でも。
アンと島で見た美しい夕焼けを思い出し、
泣けてくるシーンです。 
しかし「キングコング」がこんなロマンチックなお話だったとは。
キングコングは美女が好きなのね、と最初思っていたら、
アンじゃなきゃだめなんだね。
別の金髪碧眼の美女を捕え、アンとは違うとなったら捨て(!)てます。
誰でもいいわけじゃないんだね。
この映画は怪獣映画ではなく、究極の愛の物語だよね~、
ロメオとジュリエットどころじゃない、障害ありまくりの恋愛物語・・・
かなえられるはずもないだけに切ない。

クライマックスのエンパイア・ステート・ビルの場面では、
第一次世界大戦で初めて投入された1930年代当時の、
アメリカ空軍の主力戦闘機が登場しています。


アン・ダロウ ナオミ・ワッツ 舞台女優
カール・デナム ジャック・ブラック 映画監督
ジャック・ドリスコル エイドリアン・ブロディ 脚本家
プレストン コリン・ハンクス カールの助手
イングルホーン船長 トーマス・クレッチマン 密輸船ベンチャー号の船長
ジミー ジェイミー・ベル ベンチャー号の船員。ヘイズに育てられる。
ベン・ヘイズ エヴァン・パーク ベンチャー号一等航海士
ブルース・バクスター カイル・チャンドラー 映画俳優
ハーブ ジョン・サマー 撮影技師
2005年12月公開


「髑髏島」では、恐竜が住み哺乳類も住み人間も住みと、
地球の生物の進化がひとまとめにして見られます。
これは世界遺産にするしかないでしょ。

日本国憲法

2016-10-18 16:12:49 | 映画 2005


2005年、自衛隊のイラク派兵が決められた頃に制作された、
ドキュメンタリー映画です。
プロローグの部分で、当時の小泉首相が登場、
国会で演説する姿が映りました。

映画は、多数の人たちにインタビューしたもので構成されています。
歴史家のジョン・ダワー、作家・政治学者のC・ダグラス・ラミス、
社会学者の日高六郎、日本国憲法草案作成に携わったベアテ・シロタ・ゴードン、
政治学者のチャルマーズ・ジョンソン、シリアの民主活動家ミシェール・キーロ、
そして言語学者のノーム・チョムスキーほか。
日本国憲法を、日本の外からの視点で見るという映画になってます。

最初は、アメリカからの押し付け憲法だとか、
アメリカの占領下において1週間で作られた憲法だとか言われている、
日本国憲法が成立するまでのエピソード。

敗戦という形で終わった日本、
新しい憲法が必要だということになって、
民間ではさまざまな立場や政治的見解をもつ人たちによって、
多くの憲法草案が作られたようです。
戦争中に弾圧されていたグループ、民間人に学者を加えたグループ、
弁護士のグループなど、保守から革新まで、さまざまな憲法草案が作られたとか。
これらの草案はGHQ民政局にも提出されました。

政府はそれとは別に、第一級の専門家を集めて(憲法調査委員会)
憲法草案づくりを命じています。
しかし、当時提出された数ある草案の中で、
この政府案が最も保守的だったそうです。
明治憲法の焼き直し、天皇主権の中央集権的なもので、
これでは「民主主義」「言論の自由」といった新しい憲法をつくれそうにない、
とGHQ民政局は判断、
結局、民政局(マッカーサー)が指示して、部下に草案をつくらせます。
民政局は提出された民間からの草案に全部目を通し、
アメリカの憲法だけでなく、「権利」「社会福祉」等が、
アメリカよりも進んでいたヨーロッパ各国の憲法もリサーチしてます。

憲法とは誰のためのものか。
C・ダグラス・ラミスさんが指摘します。
「 憲法というのは、本来国民が政府に強いるもの。
押しつけられたものというが、
国民への押しつけではない、政府への押しつけ」

戦後からいままで、憲法がまったく変更されなかったのは、
アメリカの意向ではなく、国民がそれを望んで、選んだから。
中国に共産政府が誕生、朝鮮戦争が勃発というなかで、
日本も軍事で協力して欲しいというアメリカ側の圧力があったといいます。
当時の副大統領ニクソンが来日した際、
「 憲法9条は間違っていた、日本は改憲した方がいい」と発言。
それに応えるように、当時の政府も改憲したがっていましたが、
国民の平和の意識や反対が強かったため、できませんでした。

そして日本国憲法には、
日本が軍事国家に逆戻りしないことを宣言する、
という意味もあると映画では訴えています。

諸外国からどう見られていたか?
いまでも日本国内では、
15年戦争は侵略戦争ではなかったとか、
いやそれは違うとか、
自分たちのやったことを自分たちで論争しているという状況ですが、
この映画に登場するアジア各国の人たちの言葉を聞いていると、
日本が何をしたか、どう見られていたか、
というのがイヤになるほど見えてきます。
( じつは、ここで目をそむけたくなりました)
その人達は決して、声高には非難していないのですけど。

映画は、イラク戦争反対!のデモシーンで終了しています。


監督ジャン・ユンカーマン
ジョン・ダワー
C・ダグラス・ラミス
日高六郎
ベアテ・シロタ・ゴードン
チャルマーズ・ジョンソン
ミシェール・キーロ
ジョゼーフ・サマーハ
バン・チュンイ
シン・ヘス
ノーム・チョムスキー
2005年7月公開


「 普通の国になりたいと言いますが、
普通の国家とはなんですか?
アメリカを普通の国家というなら、違う、
アメリカはすでに軍事国家です。
半世紀日本は戦争をしていない、
アメリカは次々と戦争をしている、するのが当たり前。
日本ではしないのが当たり前」
監督の言葉です。

オペラ座の怪人

2016-08-15 23:31:26 | 映画 2005
パリオペラ座で50年前に起こった惨事、
その遺品オークションが開かれます。
当時のオペラ座の支援者だったラウル・シャニュイ子爵と、
バレエ教師だったマダム・ジリが、
ペルシャの衣装を纏ったサルのオルゴールを競い、
オルゴールは子爵の手に渡りました。
やがて競りは、天井から落下して大参事を引き起こした、
修復されたシャンデリアへ。
シャンデリアを天井へ吊り上げると、
シャニュイ子爵の記憶の中でシャンデリアは当時の輝きを取り戻し、
劇場の天井に燦然と輝いたのです。

このシャニュイ子爵の回想部分から、
モノクロ画面が鮮やかなカラーに変わります。
原作はガストン・ルルーが書いた「オペラ座の怪人」
あまりにも有名な物語ですが、使われる音楽もドラマチックで素敵です。
フィギュアスケートで取り上げる選手、多いよね。

顔を仮面で覆った、オペラ座の地下に住みつく孤独な怪人。
その怪人に愛され、音楽のレッスンを受け、
才能を開花させたクリスティーヌ。
幼馴染でクリスティーヌと恋に落ちるラウル・シャニュイ子爵。
この3人が織りなす愛の物語かな。
最終的にはラウルと結ばれますが、
クリスティーヌは怪人にも惹かれていたんだよね?
劇中、台詞はほぼ歌です。

「醜悪な怪人」という設定ではありますが、
この映画の怪人は、背が高く顔も男前。
見世物として晒されていた過去があるという設定のわりには、
仮面の下、顔の右上半分が火傷痕みたいになっているだけで。
そのうえ音楽、建築を含めた芸術の天才でもあります。
仮面をつけた姿は、白馬に乗ったラウルよりも、
( 実際に白馬に乗って駆けつけ、クリスティーヌを救います)
むしろかっこよかったりして。
地下に隠れ住む必然性ある?
歌声は不満です。
甘くない~。
夜毎クリスティーヌにその甘い歌声で歌のレッスンをしていた、
そんな設定なのに。



「お前は誰にも渡さん、私のものだ!」
と言い切る怪人は、現代で言うならストーカーですが・・・

フィギュアをいっぱいコレクション(それとも作製した?)して、
けっこー充実した生活してないか?


監督 ジョエル・シュマッカー
制作 アンドリュー・ロイド・ウェバー
脚本 ジョエル・シュマッカー、アンドリュー・ロイド・ウェバー
音楽 アンドリュー・ロイド・ウェバー
ファントム  ジェラルド・バトラー
クリスティーヌ  エミー・ロッサム
ラウル  パトリック・ウィルソン
マダム・ジリー  ミランダ・リチャードソン
カルロッタ  ミニー・ドライヴァー
フィルマン  キーラン・ハインズ
アンドレ  サイモン・キャロウ
メグ・ジリー  ジェニファー・エリソン
公開2005年1月