あ・しねま・たいむ

今日も映画でまったり

オケ老人!

2016-11-12 15:22:21 | 映画 2016
老人たちが活躍する、痛快クラシックエンタテインメントです。
左とん平さん79才、小松政夫さん74才、石倉三郎さん69才、
そして笹野高史さん68才。
なんと笹野さんが最年少。
でも笹野さん、なんというか、絵に描いたような老人というか・・・
最年少でも(笑)
存在そのものに味があります、私の理想です。

病室での「最期の一葉」芝居は、私も一瞬騙されました。

映画では、左とん平さんがクラリネット、小松政夫さんがチェロ、
石倉三郎さんがティンパニ、笹野高史さんがコンマスとバイオリン担当です。

梅が岡高校に赴任してきたばかりの数学教師千鶴は、
学生時代からオーケストラでバイオリンを弾いていました。
ある日、地元の文化会館で聴いたアマチュアオーケストラの演奏に感激、
入団を決意します。
ところがこの町にはアマチュアオーケストラがふたつ存在していて、
千鶴は間違えて老人ばかりの「梅が岡交響楽団」に入ってしまいました。
若者の入団を喜ぶ老人たちを前に勘違いだと言い出せなくなった千鶴、
成りゆきから指揮者をつとめるハメになったのです。

明るくて軽~いブラックユーモアが盛りだくさんです。
いまだ最期まで演奏出来ないという「梅が岡交響楽団」の面々。
エルガーの ♪ 威風堂々 は雑音にしか聴こえません。
「エルガーに謝れ!!」という千鶴の心の叫びが笑えます。
杏さんは困惑した表情を浮かべるのが抜群に上手いよね~。

映画の始まりあたりで、昌江さんだったかな?口ずさんでいたのは。
♪ 遠~き~山に~ 日~は落ちて~
よく歌ったよなあ・・・と懐かしんでいたら、
これが泣ける伏線だったんだよね。
ドヴォルザークの ♪ 新世界 は最後のクライマックスで演奏されます。

この映画は、
映画館のスクリーンで観て、そして演奏を大音響で聴くのが一番!
音楽って感情を増幅させるもんなんですね。
笑ったし泣いたし。
私も今からでも間に合うなら音楽を始めたくなっちゃった。
ただし、最期まで演奏できない頃の梅ヶ丘交響楽団限定ですが。

ところで超有名なフランスの指揮者ロンバールさんですが、
「小さな巨人」と言われているだけあって、ちっさ!
けどフランス語を話す声色も抑揚も、耳に心地よかったなあ。


監督 細川徹
小山千鶴 杏
野々村和音 黒島結菜
坂下くん 坂口健太郎
野々村秀太郎 笹野高史
及川さん(クラさん) 左とん平
花田富雄(トミー) 小松政夫
花田昌江(マーサ) 藤田弓子
戸山(棟梁) 石倉三郎
清水真弓(真弓センセイ) 茅島成美
宮崎しま子(しま子) 喜多道枝
竹岡亮吉(ラバウルさん) 森下能幸
大沢コーイチ 萩原利久
フィリップ・ロンバール フィリップ・エマール
大沢義郎 光石研
2016年11月公開


エンドロール、どうせ振り返り映像が流されていると油断していたら、
ハッピーエンド後のその後のハッピーが映っていました。