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今日も映画でまったり

ルートヴィヒ デジタル修復版

2017-02-09 14:53:41 | 映画 1980
ルートヴィヒⅡ世 は18歳でバイエルン国王に即位。
少年のころから神話に魅了され、国王となってからは建築と音楽に傾倒して、
国家財政が破綻しかねないほどの破滅的浪費を繰り返したため、
「狂王」の異名で呼ばれています。
シンデレラ城のモデルとなったノイシュヴァンシュタイン城やリンダーホフ城、
バイロイト祝祭劇場を建てました。
若い頃は美貌に恵まれ、ヨーロッパ一の美貌ともてはやされ、
多くの画家らによって肖像画が描かれたとか。
そのルートヴィヒⅡ世を、
美貌では負けておりませんヘルムート・バーガーが演じています。

映画はルートヴィヒⅡ世の即位のシーンから始まりました。
楽劇王ワーグナーへの心酔、
父親であるマクシミリアンⅡ世の従妹にあたるエリーザベトへの思慕、
それらがすべて、自分の思うとおりにならない現実。
若き王であるルートヴィヒⅡ世は失意と孤独から、
次第に世間から逃避してゆきます。
ルートヴィヒⅡ世の側近たちの証言が物語中、何度か挟まれています。
ほとんどがルートヴィヒⅡ世に否定的な証言で、なに?と思っていたら、
これはルートヴィヒの精神鑑定のためだったんですね。
最期になってわかりました。

芸術を愛した王が生涯にわたって陶酔したのが、楽劇王ワーグナーです。
国庫を傾けるほどのお金を注ぎ込んで上演された歌劇「トリスタンとイゾルデ」
ですが・・・映画ではちらとも観せてもらえなかったわ。
ワーグナーの作品は凄い、王が心酔するだけのことはある、という場面がないと、
ワーグナーがただの我儘で浪費家なお爺ちゃんに見えてしまいます。



ヘルムート・バーガーは、暗闇が似合う美貌です。



ロミー・シュナイダーは高貴で凛とした表情が、
エリーザベトそのものでした。
が・・・・引き摺るドレスの裾が階段を掃除してる・・・
枯葉の庭もドレスの裾でお掃除・・・・
その庭に雪が積もっていてもドレスの裾でお掃除・・・・
いいのか?
この時代、当り前だったの?

ルートヴィヒⅡ世の王在位は1864年~1886年です。
日本だと、ペリーが黒船でやってきたのが1853年だから
幕末から明治にと変わっていった激動期。
いま、ルートヴィヒⅡ世の建てたお城は人々が押し寄せる大観光地となり、
バイロイト祝祭劇場には世界中から音楽愛好家が集まっています。


監督 ルキノ・ヴィスコンティ
音楽 リヒャルト・ワーグナー
ルートヴィヒⅡ世  ヘルムート・バーガー バイエルン王
エリーザベト ロミー・シュナイダー オーストリア皇后
リヒャルト・ワーグナー トレヴァー・ハワード 作曲家
コジマ・フォン・ビューロー シルヴァーナ・マンガーノ ワーグナーの愛人
ホフマン神父 ゲルト・フレーベ
デュルクハイム大佐 ヘルムート・グリーム
オットー1世 ジョン・モルダー・ブラウン ルートヴィヒ2世の弟
ゾフィー ソーニャ・ペドローヴァ エリーザベトの妹
ホルシュタイン伯爵 ウンベルト・オルシーニ
ベルナルト・フォン・グッデン ハインツ・モーグ 精神科医
1980年公開


ルートヴィヒⅡ世は40歳で謎の死をとげます。
湖から引きあげられ、横たえられた横顔のアップで、
流れるエンドロール・・・・。
流れている間、ず~~~っとその顔を見詰めている状態に。
あの・・・いくら横顔が綺麗だとはいえ、早く言えば土左衛門だよ?
と若い頃には絶対言わないだろうツッコミをいれてしまう私でした。