みちくさ便り

日常の出来事や特別な事、思いついたり感じた事などをジャンルを問わずに書き込んでいきます。

雨飾山

2006年10月11日 | 山遊び

 秋晴れの一日、紅葉を求めて雨飾山へ行ってきた。雨飾山は深田久弥の百名山で有名で、幸か不幸か?中高年者を中心に多くの登山者が絶えない山である。

 太平洋南岸の発達した低気圧が冬型の気圧配置を強化させ、北アルプスでは秋特有の吹雪により、多くに登山者が犠牲になった。非常に痛ましい事故であり、改めて登山する側の責任を感じた・・・そんな天候と打って代わって、今日は一日快晴の中、少しずつ紅葉した山を十分堪能する事ができた。

 国道148号線から姫川の支流中谷川沿いに小谷温泉があり、ここから更に奥の大海川沿いに小谷高原キャンプ場があり、ここが雨飾山の入山口である。5時20分にキャンプ場前の駐車場に着いたが、既に20台前後の車が駐車している。今朝は天気が良いので多くの登山者が入山する事だろう。(実際、帰り際には、駐車場は満車で近くの路肩にも車が溢れていた。たぶん100人程度が入山したのでないだろうか?)
 
 早々に身支度を整え山道に入る。最初は大海川の湿地帯に少し下り、木道を進み左手の尾根に取り付く。ジグザグの登山道の両脇にはブナの大木があり、少し湿った粘土質をじっくりと踏みしめて登る。いつも登り始めのこの時に「山に来て良かった!」と思うのである。大きなトラバースをしながら少しずつ登って行くのだが、見晴らしは殆んど効かない。服装を秋モードにしたせいか、暑くて汗が滴り落ちてくる。

 前方から沢の音が聞こえてきたら荒菅沢である。沢筋に下る少し前に、初めて雨飾山の布団菱と呼ばれる白い岩壁が姿を現す。鋭い岩峰は海谷山域に似た荒々しさで圧倒される。(写真は、荒菅沢に下る手前で撮影)
 
 白く音を立てて流れる荒菅沢を渡渉し、対岸の尾根へ取り付く。ここからが核心部である。急坂を一歩一歩ただ下を向いて歩くだけである。時々樹間から頂上が見え隠れするが、ただひたすら、汗を滴らせながら登るのみである。ブナの森林限界を過ぎ尾根上に出ると、一変して周りの景色が開け今までの疲労が吹き飛んでしまう。

 雨飾山は、その名の通り比較的天候が良くない山である。日本海に近く気流が不安定なため、ガスが湧いたり、雨が降ったりが多いのだが、快晴の今日は幸運なのだが、日光を遮る物が何もないので暑くて堪らない。

 無風ピーカンの笹平に到着し、高原状のなだらかな道をルンルン気分で暫く進んだ後、最後の急登が始まる。距離的には幾らも無いのだが、はやる気持ちと疲労感で結構きつく感じる。少々ガレているので、落石に注意しながら登って行くと頂上である。 

 山頂は、二つのピーク(と言うより丘?)で、360度の視界が得られる。今日は快晴で、南西方向には、冠雪した白馬岳や北アルプス。北方向には、日本海、糸魚川の町、駒ヶ岳、鬼が面山、鋸岳。東方向には、焼山、火打山。南東方向には高妻山、戸隠、の山々を望む事ができた。「百名山」は、混雑して敬遠気味なのだが、ここ雨飾山は確かに素晴らしい山である。

コースタイム
10月10日(火)快晴
・小谷高原キャンプ場(5:43)~ブナ平(6:35)~荒菅沢(7:14)~笹平(8:24)~山頂(9:00)~荒菅沢(11:00)~ブナ平(11:27)~小谷高原キャンプ場(12:05)