みちくさ便り

日常の出来事や特別な事、思いついたり感じた事などをジャンルを問わずに書き込んでいきます。

燧ケ岳山スキー

2005年05月18日 | 山遊び

5月16日
今期の滑り収めにと尾瀬燧ケ岳へ行ってきた。前日の昼頃に御池の駐車場に到着した。ポカポカした天候でつい居眠りをしてしまいそうで、久しぶりで「何~んも」考えないでボケーっとしていた。駐車場の奥では荷揚げのヘリが、ドラム缶やら食料と思われる大きな荷物などをつり上げている。なんと、飛び立ってから戻ってくるまで8分程度である。一旦飛び立つとホバーリングしたまま、次の荷物を吊り上げ燧ケ岳方面に飛び立って暫くすると戻ってくる。何回繰り返したのだろうか?17時過ぎまでどんどん荷揚げしていた。もうすぐ尾瀬の季節になり喧騒な日々が始まるのだろう。
早めに天幕を張って眠りにつく、春とは言え1500mの山奥では氷点下の気温であり寒い、厳冬期用シュラフでも寒く感じる。
5月17日
3時半に起床し天幕から外を覗くと、期待通り満天の星空・・・天気の読みがバッチリあたった。
寒さに震えながら朝飯と行動準備をし5時30分に出発する。ここでもウグイスが鳴いていた。
御池の駐車場から雪は繋がっていて、シールで登行することとした。御池田代から夏道のチョイ西側の沢上をルートと選んで進む、いきなり急登で、おまけに朝の冷え込みでガリガリである。ツボ足の方が良いかな?と一瞬考えたが、シールで行けるところまでと、変に意地を張ってしまい後で後悔する。
急登のガリガリなのでジグを切れないっていうか、トラバース気味では滑落しそうなので、なるたけ板をフラットにし直登気味に登る。「いやーまいった」板担いでアイゼン履きたい気分である。必死?になって急登に挑んだが、一瞬ジグを切ろうとしたら、モロにスリップし、したたか前頭部を雪面に強打してしまった。周りに誰も居ないので、暫く蛙がつぶれたような格好のまま息を整えた。板を担ぎたいところであるが、この場では足場が悪くて無理なので、無理やり必死になって登る。やっと広沢田代の緩斜面にでて溜め息をつく。相当足に来ている感じもする。暫くすると熊沢田代への急登となるが、幾分気温も上がり、雪のも緩くなってきてシール登行し易くなってきた。歩き易そうな斜面を狙ってらってジグを切っていくのだが、ツボ足の方が良いかもしれない・・・しかし、最後までシールで行くことにする。樹林帯を抜けて熊沢田代に出ると日差しが強くなってきたので、サングラスをと帽子に手をやると、有る筈のサングラスが無い、んっ・・・そうだ、先程の転倒で帽子に掛けていたサングラスが飛ばされたのだ、シマッタ!!今回はゴーグルを省いて来たので、目を保護するものは何にも無い。幸か不幸か今日はドピーカン。一瞬「雪眼」の心配が横切る。最近歳とともに、日差しが強いとまぶしく感じていたので、ヤバイかなと思ったが、このまま行くしかない。やはり、基本通り予備ゴーグルは必要であり、後悔先に立たずである。熊沢田代湿原からは、燧ケ岳北斜面が一望でき、頂上へのルートを確認する。(後でわかったことであるが、この熊沢田代では日曜日に熊の足跡が確認されたとか?)風も無くルンルン気分でひたすら登る・・・途中から日曜日のものと思われるトレースに従ったので、案外楽に登ることができた。燧ケ岳(俎クラ)山頂直下まで雪は繋がっており、山頂の祠までスキーを担ぎ上げた。
山頂からは360度何も遮る物はなく素晴らしい眺望である。眼下には雪を被った尾瀬沼と尾瀬ヶ原、その先には真っ白な至仏山、日光連山、振り返れば会津駒ケ岳、越後の山々が連なっていて飽きることの無い景色が広がっている。
遅くなると雪が悪くなるので、早めに滑降に入る。北斜面は日曜日の新雪と古いザラメがミックスになっていて、新雪ではブレーキがかかり滑り難いので、古い雪を探しながら一気に熊沢田代まで飛ばした。この先の樹林帯は樹皮や枝などがそこらじゅうに散らばっていて、板を傷つけないようにルートを選びながら慎重に滑り降りた。時間が早かったので楽しい滑りができ、今期の締めくくりとして、まずまずの山行であった。帰りは、春の定番「こごみ」「こしあぶら」を手に入れ家に帰って春を味わうことにする。
(御池5:30・・・山頂8:00・・・山頂9:00・・・御池10:00)