みちくさ便り

日常の出来事や特別な事、思いついたり感じた事などをジャンルを問わずに書き込んでいきます。

針ノ木岳

2007年06月13日 | 山遊び
 「梅雨入り前に一度雪渓を歩きたい」と言う思いで、天気図と地形図を毎日眺めていたが、移動性の高気圧が日本本土を覆ってきて、チャンス到来とばかりに、昨日針ノ木岳へ春山登山へ行ってきた。三年程前の同時期に(2004/6/15)同じルートを歩いたのだが、今年は前に比べて雪の量が圧倒的に多かった。

 駐車場から夏道通りに進んで、道路の途中から、コースを外れて、左へ折れて見たが行き止まりになってしまった。たぶん、今の時期は大沢小屋まで、沢沿いの作業道が通れると思うのだが、自分はルートを知らない。しょうがないので、少し戻り、結局夏道を大沢小屋まで歩いた。

 大沢小屋の少し先で雪渓上に降りたが、以前来た時よりも雪の量が多いので、スキーを担いで来れば良かったかなと一瞬思った。雪渓上はデブリの跡や木屑等が散乱しているが、スキーを滑れない程ではない。(下山時にスキーヤーが軽やかに滑り降りてくるのを羨望の眼差しで眺めていた)

 最初からアイゼン付けてひたすら登る。今日は行動食をポッケットに入れて、ハイドレーションで給水を意識的に取って、ゆっくりと休まないで登るつもりだ。

 マヤクボ沢出合で、針ノ木へ向かう先行者や後続と分かれて一人マヤクボの斜面に向かう。自分としては、針ノ木岳を目指す場合、今の季節(残雪が繋がっている)は、針ノ木峠から山頂を目指すより、スバリ岳のコルから山頂を目指した方が、楽しくもあり、楽な気もする。
 マヤクボ沢の急な斜面をジグを切るようにトラバースを繰り返して、ゆっくり確実に高度を上げる。今日は気温が相当高く、雪が腐れ気味で、アイゼン付けたキックステップという感じで、直登は雪面が崩れて難儀するので、だまし気味に斜行する。

 スバリ岳コルからは、コバルトブルーの黒部湖と立山、龍王岳、剣岳が一望できる。蓮華岳にガスが懸かり始めたと思ったら、針ノ木岳も一瞬のうちにガスの中となってしまった。コルからは夏道通りに進むが、1カ所、雪渓が残っていて、黒部湖側を2~30メートル程をキックステップで登る。黒部側はスッパリと切れているので、慎重にガスが切れる間に、雪渓の出口付近を確認する。ちょいと緊張したものの、程なく針ノ木岳山頂に到着した。

 山頂では、針ノ木峠からの先行者二名がいて、写真の撮り合い、山の話等していたが、時々ガスに覆われるので、先の二名は下山して行った。暫く一人でガスの切れ間からの眺望を楽しんだ後下山する。ルートは針ノ木小屋から山頂までのトラバースルートのはずが、トレースを辿ると、稜線沿いにルートが開かれていて、何カ所か雪壁をクライムダウンする羽目になり結構緊張する。(たぶん、先日来の雨で、雪道がわからなくなっていて、仕方なしに稜線にルートを取ったものと思われる)これでは、針ノ木峠からの登りは、相当厳しくなるのでないだろうか?
 
 峠では、針ノ木小屋が新しくなっていて、いつの間にか?と言う感じで、少し驚いた。峠からの下りでは、スキーヤーが板を背負って登ってくる。ここまで担ぎあげれば、後は最高の時間が待っている。少しうらやましい感じもして、悔しいので斜面の固そうなところ狙ってグリセードもどきで下るが、快適と言うよりも脚が疲れてしまった。

 雪渓下部からは、朝方と同じく夏道を、いい加減嫌になりながら、扇沢までダラダラと下った。

コースタイム
6月13日(火)・晴
・扇沢駐車場(5:40)~大沢小屋(6:40)~雪渓取付き(7:00)~マヤクボ沢出合(8:20)~スバリ岳コル(9:40)~針木岳山頂(10:10)~雪渓取付き(12:15)~扇沢駐車場(13:10)