みちくさ便り

日常の出来事や特別な事、思いついたり感じた事などをジャンルを問わずに書き込んでいきます。

守門・大岳(山スキー)

2006年03月10日 | 山遊び
 計画より1週間遅れてしまったが、春の陽光を浴びて守門・大岳の大斜面を一人占め滑降してきました。一人の登山者と二人連れの山スキーヤーに会っただけで静かな山行だった。

【山域】守門岳(大岳)1432m  
【場所】新潟県
【日時】3月9日(木)
【コース】二分~大平~保久礼小屋~キビタキ小屋~大岳山頂往復
【メンバー】単独
【装備】TRABフリーランドゥ 157cm,ディアミール,ガルモント
【天気】晴れ

 二月末か三月上旬頃にラッセル覚悟の山行計画をしていたのだが、諸々都合でやっと今日二年振りに訪れることができた。週始めの雨と昨日の晴天のため、雪は無残にもガリガリ状態であった。

 朝は足元が凍っているので板を担いで二分除雪最終点の雪壁を攀じ登る。大平まではショートカットして山肌を直登する。結構急斜面だが息を切らせないようゆっくりと歩いた。とても静かでキックステップする足音しか聞こえてこない。横浜からはさすがに遠くて、中々チャンスはないが、やはり会越の山は静かで良い。

 大平からは、傾斜の緩い沢状の植林地を長峰へ向かう。長峰からは広い尾根を進み、少し下ったブナ林の中に保久礼小屋がある。コンクリ二階立ての小屋で、屋根には3メートル程の雪が積もっていて、「豚の角煮」に例えられているが、雪が何層にも積もっていて正にそのとおりである。ここから本格的な登りとなるが、足元を観察するとスノーモービルによる古いトレースが出来ていて雪面は固くなっている。雪山の楽しさを半減させてしまうこの行為は許せない。傍若無人なスノーモービルのトレースはキビタキ小屋付近まで続いていた。

 キビタキ小屋は雪の下で影も形も見えないが、ここを過ぎるとブナの疎林も終わり広い尾根を登るようになる。今日は天気が良いので目の前には不動平への大斜面が広がっていて、ここを滑ることを思うと自然と足運びもリズミカルになってくる。南寄りの風が強く、寒くないのだが雪面はクラストしていて、所々アイスバーンもある。不動平からは尾根の先には大岳が聳えていて、左方向に目をやると中津又尾根の斜面も一面無木立で滑降欲を刺激してくる。

 緩い無木立の尾根を登ると、大岳頂上である。頂上は広い雪原で、誰かが風除けに掘った、雪洞、否「タコ壷」が残っていた。二年前は頂上の鐘のポールがわずかに姿を見せていたが、今年は一面雪原である。この先は巨大な雪庇が張り出していて、視界が利かないときは注意が必要である。頂上からは袴岳(写真)、南方向に上越国境から越後三山、荒沢岳、南会津の山々、北に御神楽岳とその奥に飯豊連峰が遠望できる。

 「タコ壷」で行動食を食べていると、単独の登山者が突如現れて挨拶後、袴岳に向かって行った。今日はワカンも必要なく壷足で歩けるので快適だろう。
休憩後、登ったコースを下る。キビタキ小屋付近までは、一面開けた斜面でクラストしているが、気分良く滑ることが出来た。途中、加茂市から訪れた二人パーティに会い、中津又尾根の様子をお伺いした。「滑る人も少なくトレースが無いので今日のように視界の開けた日なら楽しめるよ、最後に保久礼小屋に向かう沢を越える所がポイント」と言う事である。
 
 樹林帯に入ると雪面が固く嫌な感じだったが、保久礼小屋までは尾根筋から少し離れて、母川側をトラバース気味に凍った斜面に緊張しながら滑った。

 保久礼小屋から長峰へは少し登り返すが、板を外して肩に担いで少し歩くだけである。この頃になると、雪も解けてザラメ状になっていて大平までは疎林を快適に滑る事ができた。大平は、その名のとおり平地なので、所々スケーティングを交えながら進むが、結構時間が掛かる。先ほどの長峰から谷筋でなく左岸方向の尾根を末端まで滑ることもできる。(先年はこちら)
この先、一気に二分除雪最終点まで滑り降りた。

 春の陽光に終始恵まれ、のどかな春山と汗だく山スキーを久振りに味わう事ができた。

二分(6:30)~長峰(7:36)~保久礼小屋(8:13)~キビタキ小屋(9:05)~大岳(9:59~10:40)~長峰(11:22)~二分(11:51)