年の瀬に殺伐な話だが、先月こんな事件があった。
東京品川で信号待ちをしていた77歳の男性が男に殴られて死亡した。加害者は48歳の自称会社役員で、息子を連れて信号無視で横断歩道を渡ったので男性に注意され、「うるせえんだよ」などと言って男性の顔を殴った。暴行後、息子と一緒に逃げたが、目撃者があり防犯カメラに写っていたので特定されて逮捕された。逮捕されたのは今月の24日で、事件発生後1ヶ月くらいたっているが、警察も根気よく追ったものだ。
この男は息子と一緒に買い物に行こうとしたらしいが、日ごろから気の荒い短気な性格だったのだろうか。目の前で父親が年寄りを殴り、逃走した挙句捕まったことに、息子はどのようにショックを受けただろうと思う。殺してしまっては微罪釈放というわけにはいかないから、家族にとっては年末も正月も消し飛んでしまったし、この事件は実名で報道されたから、これから先何年間かは肩身の狭い思いをするだろう。
もちろん亡くなった老人の家族にとっても思いがけない災難で、気の毒なことだが、あるいは「おじいちゃん、注意などしないで見過ごしたらよかったのに」と嘆いてもいるかも知れない。実際、近頃はこういう無茶な人間が少なくないから、つい見て見ぬ振りをしてしまうのだろう。かく言う私だって、その場にいたら果たして注意するかどうか、情けないが正直言って自信がない。若い頃は朝の出勤時の駅で小突きあって喧嘩をしているサラリーマン風の男2人の仲裁に入ったこともあったが、今はそのような元気はない。
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