中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

秋老虎

2006-08-27 12:37:00 | 身辺雑記
 今年も残暑が厳しい。いや、感じとしては「今年はいっそう」と言った方がいいかもしれない。中国語で「暑い」は「熱(re)」だが、この字を使う方がぴったりするくらいで、時にはまるでオーブンの中に入れられたように熱い。大学時代の友人が「同年輩の人と話すとみんな暑さに閉口していて、歳の所為かと悲しみながら話しています」とメールで書いてきた。歳のせいもあるかもしれないが、それだけではないようにも思う。

 若い頃は大汗をかいた後に物の陰に入ると、空気に爽やかさを感じたものだが、今はヒートアイランド現象と言うのか、街なかは殊のほか暑い。先日も陽の当る所に出した温度計の針は50度を超えていて、中国新疆のウルムチ並みだなあと恐れをなして家の中に引っ込んだ。幼い頃に東京にいたが、夕方になって玄関先や庭に打ち水をした後のひんやりした空気の中に混じる湿った土のにおいが懐かしい。

 中国では残暑を、やはり残暑と言い、秋熱、余暑とも言うようだが、面白い表現に「秋老虎(qiulaohu)」がある。なぜ老虎(=虎)なのか、インタネットで調べたら「残暑は厳しくて、虎みたいに猛烈に迫って来る様子」とあった。私はこの表現が好きでよく使う。「今年の虎は、なかなか立ち去ろうとしません」とか友人などにメールしたりする。

 いつも立秋を過ぎると、西安の李真からは涼しくなりましたと言ってきて、こちらはまだ秋老虎がのさばっているので羨ましく思ったが、立秋などの二十四節季は、元来は古代中国の黄河流域の農耕地帯で創られたものだから、西安あたりの気候が暦どおりなのは当然なのだろう。しかし今年は西安でも立秋の後も暑く、2週間くらい前からやっと涼しくなったそうだ。これも地球温暖化の影響なのだろうか。




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