時計草が咲きました~と、友人からの写メール。
いつみても不思議。
神様は何のためにこの形を?
と考えます。
この形は、南米のジャングルで、
この花が生きていくための必然だったのでしょう。
パッションフラワー(キリスト受難の花)よりも、
時計草という名前が好き。
あとひとつの不思議は、サイカチ。
幹に突き刺さった手裏剣のようなトゲは
中世の鉄の甲冑のよう。
トゲは小枝が変化したものですが、
こんなにまでして、サイカチの守るべきものとは何?
サイカチのことを真剣に考えながら、時計草の文字盤を見つめていたら
日が暮れてしまいそうです。
16世紀末、南米に渡ったスペインの宣教師達がジャングルで見た時計草の花は、なんと、彼らの教義に都合の良い造形であったことか。子房を十字架、3本の花柱は釘にetc...と、キリスト受難の道具立てすべてが見立てれられた。
渋澤龍彦がきっと書いているはず、と思って『フローラ逍遙』を見たら、果たしてありました。そして、最後にはこんなことも。
「デジタル時計しか見たことのない、今日の子ども達は、時計草の花を眺めても、その名の由来が分からないのではないだろうか」と。
サイカチは山や河原などに自生するマメ科の落葉高木。ねじれた長い莢に豆が実る。豆はサポニンをふくんでいるので、昔は石けん代わりにした。今もエコ洗剤として使われている。薬用、建材などにも利用され、なかなか有用のようだ。
さらに、サイカチの樹液はカブトムシの好物。なんと言っても、子ども達にとって、大切な木なのかも知れない。