「この樹木は不要と判断された為、近日中に伐採します。」
集合住宅の公園に植えられた柳の木に張られた、業者からのお知らせ。
10本近くの幹に全部貼られている。
貼られているのではなく、ステップラーで幹に打ち込まれている。
「あー、痛ッ!」
不要の文字が、心にもズキッと突き刺さる。
しばらく前、
同じ敷地内の柳が倒れ、フェンスを壊した。
ほかには被害はなかったが、それで見直しがあった。
さすがに、掲示版には、
「倒木の恐れがあるため・・・」
と記されていたが、
立場によるモノの見方の温度差が、くっきり。
ここに植えられてから、ほぼ30年。毎年流れるような緑の枝が枝垂れ、
殺風景な景色に、どんなに爽やかな生命観をあたえてくれていたことか。
今では、幹も太くなって、少し根元が腐食しかかったものもある。
埋立地の瓦礫だらけの土で、よくがんばった。
長い間、ありがとう。
さて、昨日、11月30日限りで、23年間親しんだダイエーが閉店した。
経営方針云々はともかく、
おしゃれではなかったが、日常のことはほぼ間に合ったので、
日々便利に利用した。
西葛西から、日本橋までは、東西線で15分ほど。
なにかのときには、日本橋や銀座によく出かけた。
が、帰りには、きまってダイエーで、食材を調達した。
最後の日、駐車場の一部が閉鎖され、近道がひとつなくなった。
明日からは、メインの駐輪場と私道も閉鎖されるので、
ぐるっと回り道になり、通勤の方には、大影響だ。
いままで、無意識にその恩恵にあずかっていたことに気づく。
古くからいる、顔見知りの女店員の方に
「長い間、お世話になりました。不便になるわ」
と声をかけると、
「どうなりますか―。私は行徳店に行ってますので、また出かけてください」
と言葉が返ってきた。